米国のインフレ再燃が懸念され始めました。興味を惹くのが「自動車保険料」の高騰です。先週発表された3月米CPIで、自動車保険は前年同月比で22.2%上昇。自動車修理も前年同月比で8.2%もの上昇となりました。CPIに占める自動車保険の構成比率は2.9%ありますから、単独項目としては決して小さくありません。

なぜ、自動車保険料が上がっているのか?

調べてみるとEVの普及が背景にありそうです。

EV車は、多少のバッテリー損傷でも修理が効かず、バッテリーパックの総入れ替えとなるケースが多く、走行距離の短い車両でも全損扱いとせざるを得ないようです。ガソリン、ディーゼルなどの内燃機関車はパーツ毎の修理が可能ですが、バッテリーパックは部分修理が難しい。このコストが数万ドルになるというわけで、保険料を高くせざるを得ないとか。そして損傷して使用不能となったバッテリーパックはまだうまくリサイクルされず、廃棄物として積み上げられているというのが現状のようです。果たしてEV車はエコなのでしょうか?

ESG、SDGsなど環境に配慮し、持続可能な社会を目指そう、という人類の取り組みには大きな矛盾とコストがかかってくるという話で、これは中央銀行が利上げしたからといって解消できるものではなさそうです。