【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 38,459.08  ▼2.43 (4/11)
NASDAQ: 16,442.20  △271.84 (4/11)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均はディフェンシブ銘柄などに売りが出て小幅に4日続落となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は3月の米卸売物価指数(PPI)が市場予想を下回ったことでインフレへの過度な警戒感が後退し、ハイテク株を中心に買い戻しが入ったことから反発となりました。

61ドル高でスタートしたダウ平均はマイナスに転じると朝方に264ドル安まで下落しましたが、売り一巡後に持ち直すと昼過ぎにプラスとなり137ドル高まで上昇しました。しかし、引けにかけて上げ幅を縮めるとマイナスに転じ結局2ドル安の38,459ドルで取引を終えています。

一方でS&P500株価指数が38ポイント高の5,199ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も271ポイント高の16,442ポイントとなり3月22日に付けた史上最高値(16,428ポイント)を更新しています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万1000件減の21万1000件となり市場予想を上回る改善となりました。また、3月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.2%上昇と前月から伸びが鈍化し市場予想も下回りました。

さらに欧州中央銀行(ECB)理事会は政策金利を5会合連続で据え置くと決めました。声明文ではインフレが持続的に収まるとの確信を得られれば「金融政策の水準の引き下げが適切になる」との文言を盛り込み、今後の利下げ転換を示唆する内容となりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融やヘルスケア、生活必需品などの6業種が下げました。一方で情報技術やコミュニケーション・サービス、一般消費財・サービスなどの5業種が上げ、情報技術が2%を超える上昇となったほか、コミュニケーション・サービスも1%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではアップル[AAPL]が4%を超える上昇となったほか、ナイキ[NKE]も投資判断の引き上げを受けて3%以上上げました。アマゾン・ドット・コム[AMZN]とアムジェン[AMGN]、インテル[INTC]、マイクロソフト[MSFT]も1%以上上昇しています。一方でユナイテッドヘルス・グループ[UNH]とトラベラーズ[TRV]が1%を超える下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、半導体株も高くエヌビディア[NVDA]とマイクロン・テクノロジー[MU]、ブロードコム[AVGO]が4%を超える上昇となり、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]とクアルコム[QCOM]、ウエスタン・デジタル[WDC]も2%以上上げています。

また、主力ハイテク株が堅調でグーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]が2%余り上げ、ネットフリックス[NFLX]とテスラ[TSLA]も1%以上上昇しています。モルガン・スタンレー[MS]は米証券取引委員会(SEC)などが富裕層向け事業の調査をしていると伝わったことで5%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%高い4.59%となりました。ドル円は153円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でのハイテク株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が25日移動平均線(昨日時点で39,707円)を上回ることができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)