東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日ぶりに反落となりました。190円安の39,582円で寄り付いた日経平均は9時50分過ぎに237円安の39,535円まで下落しましたが、節目の39,500円を前に下げ渋ると持ち直し後場に入り12時50分過ぎには64円安の39,708円まで戻しました。しかし、上値は重くその後引けにかけて下げ幅を広げると14時50分前に262円安の39,510円まで下落し結局191円安の39,581円で取引を終えています。一方で新興市場は高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

米マイクロソフト[MSFT]が2年間で29億ドル(約4400億円)を投じ日本でデータセンターを拡充すると伝わったことでデータセンター関連銘柄に思惑買いが入りました。データセンターを運営するさくらインターネット(3778)がデータセンター市場の拡大を期待した買いで14.5%上昇しストップ高となったほか、データセンター向け電源システムを手掛ける富士電機(6504)も一時5.4%高となり上場来高値を更新しました。女性向けスポーツジム「カーブス」を運営するカーブスホールディングス(7085)も一時7.5%高となり年初来高値を更新しました。会員数の回復やプロテイン商品の販売で増収となるなか、広告宣伝などの費用を抑えたことにより上期の営業利益が前年同期比で38.2%増となったことから大幅高となりました。本決算を発表したイオンディライト(9787)も一時6.1%高となりました。2025年2月期の営業利益が前期比で5%増となる見通しを示したことや、自己株式を除く発行済株式総数の1.44%にあたる70万株、31億円を上限とした自社株買いを発表したことから買いが優勢となりました。一方で本決算を発表したイオンモール(8905)が一時5.8%安となりました。2025年2月期の営業利益が前期比で18.5%増となる見通しを示しましたが、市場予想に届かなかったことで失望売りが優勢となりました。同じく本決算を発表したイオンフィナンシャルサービス(8570)も2025年2月期の営業利益が前期比で9.8%増となる見通しを示しましたが、市場予想を下回ったことで一時9.4%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は191円安となりました。昨日の米国市場が小幅に高安まちまちとなり新たな買い材料に乏しいなか3月の米消費者物価指数(CPI)の発表を前に持ち高調整の売りが出て反落となりました。その米CPIは日本時間の21時30分に発表となります。米連邦準備制度理事会(FRB)による今後の金融政策を占ううえで関心が高い経済指標だけにマーケットの反応が注目されます。また、11日午前3時には3月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨も公表される予定でこちらも注目されます。さらに小売り企業を中心とした2月決算企業の本決算発表が続いています。本日も引け後にはセブン&アイ・ホールディングス(3382)やイオン(8267)が決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)