東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日続伸となりました。507円高の40,511円で寄り付いた日経平均は取引開始から1時間弱で745円高の40,748円まで上昇した後伸び悩むと10時20分過ぎに448円高の40,452円まで上げ幅を縮めました。しかし、その後再び上げ幅を広げると後場に入り14時50分過ぎに819円高の40,823円まで上昇し結局812円高の40,815円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇しています。

2.個別銘柄等

トヨタ(7203)が一時4.2%高となり上場来高値を更新しました。一時151円台前半まで進んだ円安を受けて業績の拡大を期待した買いが入りました。日産(7201)も一時3.3%高となっています。東京電力ホールディングス(9501)も一時6.7%高となりました。資源エネルギー庁の村瀬佳史長官が新潟県庁に花角英世知事を訪ね柏崎刈羽原発の再稼働に向けて理解を求めたと伝わったことから原発再稼働を期待した買いが入りました。イビデン(4062)も一時3.8%高となりました。バイデン米政権が米半導体大手のインテル[INTC]に最先端半導体の開発、製造能力の増強を支援するため85億ドルの補助金を交付すると発表したことでインテルのCPUにICパッケージを供給するイビデンに物色の矛先が向かいました。日本製紙(3863)も一時3.1%高となりました。未定としていた2024年3月期の年間配当を10円にすると発表したことで買いが優勢となりました。雪国まいたけ(1375)も一時10.6%高となり昨年来高値を更新しました。単価水準の引き上げに加え、エネルギー関連費用が見込みより低く推移していることなどから通期の業績予想を上方修正し、一転して増益予想となったことで買いを集めました。スカパーJSATホールディングス(9412)も一時14.1%高となり上場来高値を更新しました。衛星を使った宇宙状況監視(SSA)で米軍との連携の拡大に向け協議を進めると伝わったことを材料視した買いが入りました。また、傘下の英半導体設計大手のアーム・ホールディングス[ARM]が昨日の米国市場で5%を上回る上昇となったことからソフトバンクグループ(9984)も一時5.4%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は812円高となりました。米連邦公開市場委員会(FOMC)で年内3回という利下げ見通しが維持されたことを好感した買いが入り昨日の米国市場で主要3指数が揃って史上最高値を更新したことから大幅高となりました。また、日銀の金融政策決定会合や米連邦公開市場委員会(FOMC)といったイベントを無難に通過したこともあり上げ幅を大きく広げ4日に付けた史上最高値(40,109円)を大幅に更新しました。そのため先高観が一段と強まりそうで、明日はさらに高値を更新して週の取引を終えることができるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の21時30分に米新規失業保険申請件数や3月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数、10-12月期の米経常収支などが発表されるほか、22時45分には3月の米PMI速報値が、そして23時には2月の米中古住宅販売件数と2月の米景気先行指標総合指数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)