東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて4日ぶりに反発しました。210円高の39,809円で寄り付いた日経平均は一時147円台半ばまで進んだ円高を受けて取引開始から10分弱でマイナスに転じましたが、47円安の39,551円で下げ渋ると持ち直し11時には352円高の39,951円まで上昇し336円高の39,935円で前場を終えました。285円高の39,883円でスタートした後場の日経平均はさらに上げ幅を広げ12時50分過ぎに390円高の39,989円まで上昇しましたが、40,000円の大台を前に上値が押さえられると伸び悩み14時20分過ぎには19円高の39,618円まで上げ幅を縮めました。しかし、マイナスになることなく踏み止まるとやや持ち直し結局90円高の39,688円で取引を終えています。一方で新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

米エヌビディア[NVDA]が4%を超える上昇となり上場来高値を更新するなど昨日の米国市場で半導体株が買われた流れを受けて日本市場でも半導体関連株が買われました。東京エレクトロン(8035)とアドバンテスト(6857)が一時3.2%高、SCREENホールディングス(7735)が一時3.1%高、ディスコ(6146)も一時4.2%高となりました。しかし、アドバンテストとSCREENホールディングスは買い一巡後に伸び悩むと下げて取引を終えています。大阪瓦斯(9532)も7.8%高となり昨年来高値を更新しました。2024年3月期の期末配当計画を従来計画から7円50銭引き上げ40円にすると発表したことで買いが優勢となりました。ソースネクスト(4344)も33.1%上昇しストップ高となりました。子会社の携帯翻訳端末を手掛けるポケトークが2025年中に新規株式公開(IPO)すると伝わったことで買いを集めました。大幸薬品(4574)も一時22.4%高となりました。医薬品事業の仕入れ取引に関連して取引先との契約締結により受取補償金を計上することになったことで通期の純利益の見通しを3億5千万円から5億5千万円に上方修正したことから大幅高となりました。さらに大林組(1802)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時4.7%高となり昨年来高値を更新したほか、山崎製パン(2212)も目標株価の引き上げを受けて一時4.4%高となっています。一方で京成電鉄(9009)が一時10.1%安となりました。持ち分法適用会社のオリエンタルランド(4661)株式の一部売却に伴い、通期の純利益の見通しを上方修正し、特別配当の実施を発表したことで一時は3.5%高となる場面もありましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと売りが優勢となり下げ幅を大きく広げました。また、オリエンタルランドも一時4.4%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は90円高となりました。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言を受けて利下げ観測が強まるなかハイテク株を中心に買いが入り昨日の米国市場が上昇し、S&P500株価指数が史上最高値を更新したことから反発となりました。しかし、米雇用統計の発表を控えた週末ということもあり40,000円の大台を前に伸び悩むと上げ幅を大きく縮めました。その2月の米雇用統計は日本時間の22時30分に発表となります。米連邦準備制度理事会(FRB)の今後の金融政策を占ううえで関心が高いだけにマーケットの反応が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)