【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 38,773.12  △348.85 (2/15)
NASDAQ: 15,906.17  △47.03 (2/15)

1.概況

米国市場は景気敏感株を中心に押し目買いが入り続伸となりました。ダウ平均は26ドル安でスタートしましたが、寄り付きを安値に下げ渋ると直ぐにプラスに転じまもなくして240ドル高まで上昇しました。その後は一旦伸び悩みましたが、大きく押すことなく堅調に推移すると取引終盤に再び上げ幅を広げ結局348ドル高の38,773ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も29ポイント高の5,029ポイントとなり9日に付けた史上最高値(5,026ポイント)を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も47ポイント高の15,906ポイントとなっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比8000件減の21万2000件となり横ばいを見込んでいた市場予想に反して改善しました。2月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数もマイナス2.4と前月から上昇し市場予想を上回りました。2月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数も5.2と前月から上昇し市場予想を上回っています。また、2月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数も48と前月から上昇し市場予想を上回りました。1月の米輸入物価指数も前月比0.8%上昇し市場予想を上回り、米輸出物価指数も前月比0.8%上昇し市場予想を上回っています。一方で1月の米小売売上高は前月比0.8%減となり市場予想を下回りました。1月の米鉱工業生産指数も前月比0.1%低下し市場予想を下回り、設備稼働率も78.5%と前月から低下し市場予想を下回りました。12月の米企業在庫は前月比0.4%増となり市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術を除く10業種が上げました。そのなかでもエネルギーと不動産が2%を超える上昇となったほか、素材と金融、公益事業も1%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が上げました。そのなかでもウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]とシェブロン[CVX]が3%を超える上昇となったほか、ダウ[DOW]も3%近く上げました。JPモルガン・チェース[JPM]とキャタピラー[CAT]も2%以上上昇し、ゴールドマン・サックス[GS]も2%近く上げています。一方で決算を発表し通期の業績見通しを引き下げたシスコシステムズ[CSCO]が2%を超える下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外では決算を発表した農機のディア[DE]が通期の利益見通しを引き下げたことで5%を超える下落となっています。グーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]も「チャットGPT」を開発したオープンAIがグーグルに対抗するウェブ検索サービスを開発していると伝わったことで2%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%低い4.23%となりました。ドル円は149円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後さらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)