東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて反発となりました。238円高の36,249円で寄り付いた日経平均は9時20分前に72円高の36,083円を付けた後上げ幅を広げると10時50分過ぎに429円高の36,441円まで上昇しました。その後は後場に入り13時過ぎに117円高の36,128円まで上げ幅を縮めるなど伸び悩みましたが、引き続き堅調に推移すると結局146円高の36,158円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

第3四半期決算が大幅な増益となったコニカミノルタ(4902)やコナミグループ(9766)が大幅高となりました。コニカミノルタは主力のオフィス向け事務機が堅調に推移したことなどにより第3四半期の営業利益が前年同期比で2.5倍となったことから一時11.7%高となりました。コナミグループも主力タイトルの利益率の向上や新規タイトルの投入が寄与し第3四半期の事業利益が前年同期比で53%増となり、通期の事業利益の見通しを630億円から785億円に上方修正したことにより一時6.7%高となって昨年来高値を更新しています。日本テレビホールディングス(9404)も22.8%上昇しストップ高となり昨年来高値を更新しました。放送法などが放送持ち株会社や放送事業者について外国人株主の議決権比率を20%未満にするよう定めていることから、これまで外国人株主の議決権比率が20%以上になる場合は一部の外国人株主を株主名簿に記載せず、配当も出していませんでしたが、6月の定時株主総会で定款を変更し、株主名簿への記載を拒否した外国人株主も配当を受け取れるようにすると発表したことから買いを集めました。他の民放株にも買いが波及しフジ・メディア・ホールディングス(4676)が一時14.3%高、TBSホールディングス(9401)が一時19.9%高、テレビ朝日ホールディングス(9409)が一時22.3%高、テレビ東京ホールディングス(9413)も一時12.2%高となり、フジ・メディア・ホールディングスとTBSホールディングス、テレビ朝日ホールディングスは昨年来高値を更新しています。

一方で第3四半期決算を発表した京セラ(6971)が一時5.3%安となりました。スマホ向けの電子部品の出荷が落ち込んでいることなどから1200億円とみていた通期の営業利益の見通しを950億円に下方修正したことで売りが優勢となりました。同じく第3四半期決算を発表した三菱自動車工業(7211)も一時7.3%安となりました。第3四半期9ヶ月間累計の営業利益は前年同期比で4.2%増となりましたが、第3四半期3ヶ月間の営業利益が前年同期比で19.1%減と減益に転じたことから大幅安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は146円高となりました。米長期金利の低下を受けて昨日の米国市場が反発し、ダウ平均が史上最高値を更新したことから買いが優勢となりました。上げ幅を広げ一時は430円近く上昇する場面もありましたが、1月の米雇用統計の発表を控えていることから買い一巡後には伸び悩みました。その米雇用統計は日本時間の22時30分に発表となります。米連邦準備制度理事会(FRB)の今後の金融政策を占ううえで関心が高いことからマーケットの反応が注目されます。なお、3月決算企業の第3四半期決算発表が先週からスタートしています。本日も引け後には三越伊勢丹ホールディングス(3099)やパナソニックホールディングス(6752)、村田製作所(6981)、みずほフィナンシャルグループ(8411)、川崎汽船(9107)、日本航空(9201)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)