【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 38,333.45  △224.02 (1/29)
NASDAQ: 15,628.05  △172.68 (1/29)

1.概況

米国市場は長期金利の低下を受けてハイテク株を中心に買いが入り上昇となり、ダウ平均とS&P500株価指数が史上最高値を更新しました。6ドル高でスタートしたダウ平均はしばらく先週末の終値を挟んで小幅にもみ合う展開が続きましたが、引けにかけて買いが優勢となり上げ幅を広げると結局224ドル高の38,333ドルと3日続伸となり、先週末に続いて史上最高値を更新して取引を終えています。また、S&P500株価指数も36ポイント高の4,927ポイントと反発し、25日に付けた史上最高値(4,894ポイント)を更新しています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も172ポイント高の15,628ポイントとこちらも反発し、25日に付けた昨年来高値(15,510ポイント)を更新しています。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーを除く10業種が上げました。そのなかでも一般消費財・サービスが1%を超える上昇となったほか、情報技術とコミュニケーション・サービスも1%近く上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではセールスフォース[CRM]が3%近く上げたほか、ウォルト・ディズニー[DIS]とビザ[V]も2%を超える上昇となりました。マイクロソフト[MSFT]とキャタピラー[CAT]、ナイキ[NKE]も1%以上上げています。ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株が堅調でテスラ[TSLA]が4%余り上げ、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]とアマゾン・ドット・コム[AMZN]も1%以上上昇しています。グーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]とネットフリックス[NFLX]も1%近く上げています。半導体株も堅調で旧東芝メモリのキオクシアホールディングスとの統合交渉が再開したと伝わったウエスタン・デジタル[WDC]が2%を上回る上昇となりました。また、エヌビディア[NVDA]も2%以上上げ、マイクロン・テクノロジー[MU]とブロードコム[AVGO]、テキサス・インストゥルメンツ[TXN]も1%以上上昇しています。一方でロボット掃除機「ルンバ」などを手掛けるアイロボット[IRBT]が8%を超える下落となりました。欧州連合(EU)の規制当局から承認を得られる見通しが立たないことからアマゾン・ドット・コムがアイロボットの買収を断念すると発表したことで売りが膨らみました。

5.為替・金利等

長期金利は財務省が1-3月期の借入額が昨年10月時点の推計よりも少なくなるとの予想を示したことなどから0.06%低い4.07%となりました。ドル円は147円台半ば近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)