東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日ぶりに反発しました。13円安の36,213円で寄り付いた日経平均は直後に44円高の36,271円を付けるなど朝方にプラスとなる場面もありましたが、上値は重く伸び悩むと売りが優勢となり10時50分過ぎには313円安の35,912円まで下落しました。しかし、押し目買いが入り持ち直すと後場に入って買いが優勢となり14時20分に85円高の36,312円まで上昇しました。その後は伸び悩みましたが、引き続き小幅高で推移すると結局9円高の36,236円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

レーザーテック(6920)が4.1%高となり上場来高値を更新しました。オランダの半導体製造装置大手のASMLホールディング[ASML]の2023年12月期の決算が極端紫外線(EUV)露光装置の販売拡大などを受けて大幅な増収増益となったことからEUV露光に対応した検査装置で圧倒的な市場シェアを持つレーザーテックも買いが優勢となりました。ITコンサルティングのフューチャー(4722)も一時6.6%高となりました。経営支援ノウハウを共有して相互に事業を拡大するため企業経営支援のリヴァンプを完全子会社化すると発表したことを材料視した買いが入りました。また、目標株価の引き上げを受けて大手海運株が堅調で、日本郵船(9101)が一時3.4%高、商船三井(9104)と川崎汽船(9107)も一時2.6%高となりました。さらに東証スタンダード市場ではクリーニングの白洋舎(9731)が一時20.9%高となりました。第4四半期のクリーニング事業やレンタル事業リネンサプライ部門の売上高が想定を上回って好調に推移したことなどから14億5000万円とみていた2023年12月期の営業利益を18億円に上方修正したことで買いを集めました。一方で第3四半期決算を発表したニデック(6594)が一時6.2%安となりました。「イーアクスル」と呼ばれる駆動装置を軸とする電気自動車(EV)部品事業の低迷を受けて2200億円とみていた2024年3月期の営業利益の見通しを1800億円に下方修正したことで大幅安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は9円高となりました。昨日の米国市場でダウ平均が続落となった流れを受けて節目の36,000円を割り込み300円以上下落する場面もありましたが、35,900円を前に下げ渋ると持ち直し小幅に上昇して取引を終えました。そのため短期的な過熱感は依然として強いものの、押し目買い意欲も強いといえそうです。なお、日本時間の22時15分に欧州中央銀行(ECB)理事会の結果が発表されるほか、22時30分には10-12月期の米実質国内総生産(GDP)速報値や米新規失業保険申請件数、12月の米耐久財受注額が発表される予定です。また、25日の米国ではインテル[INTC]やダウ[DOW]などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)