東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は6日続伸となりました。57円高の35,634円で寄り付いた日経平均は朝方にマイナスとなる場面もありましたが、32円安の35,544円で下げ渋ると買いが優勢となり上げ幅を大きく広げ293円高の35,870円で前場を終えました。さらに上げ幅を広げ341円高の35,918円でスタートした後場の日経平均は13時10分過ぎに431円高の36,008円まで上昇した後伸び悩みましたが、その後も35,900円近辺で推移すると結局324円高の35,901円で取引を終え連日で昨年来高値を更新しています。こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
第3四半期決算を発表したイオン(8267)やローソン(2651)が昨年来高値を更新しました。イオンは物価高の中で消費者の節約志向を捉えプライベートブランド(PB)商品の販売が伸びていることなどから2200億円とみていた通期の営業利益の見通しを2400億円に上方修正し、4年ぶりに最高益を更新する見込みとなったことで一時3.2%高となりました。ローソンも新型コロナウイルス禍からの人流回復で国内コンビニ事業が堅調に推移していることなどから850億円とみていた通期の事業利益の見通しを880億円に上方修正したことで一時8.9%高となりました。同じく第3四半期決算を発表した松屋(8237)も高額品の消費が想定以上に強いことなどから17億円とみていた通期の営業利益の見通しを23億円に上方修正したことで一時15.4%高となっています。ディスコ(6146)も一時5.0%高となり上場来高値を更新しました。半導体メーカーの国内外での生産拡張をにらみ供給体制を整えるため半導体製造装置に使う部材の新工場を広島県呉市で建設すると伝わったことを材料視した買いが入りました。また、東証スタンダード市場では日本マクドナルドホールディングス(2702)が2.6%高となり上場来高値を更新しました。メニュー全体の約3割に相当する商品の店頭価格を24日から10-30円値上げすると発表したことで収益の改善を期待した買いが入りました。
一方で第3四半期決算を発表した中古車買い取りチェーン大手のIDOM(7599)が一時11.9%安となりました。大型店の新規出店が増加する見通しで人件費の増加が継続すると見込まれることなどから190億円とみていた通期の営業利益の見通しを170億円に下方修正したことで売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は324円高となりました。先週末の米国市場が高安まちまちとなり新たな買い材料に乏しかったこともあり朝方には小幅にマイナスとなる場面もありましたが、下げ渋り底堅さをみせると買いが優勢となり、取引時間中としては節目の36,000円を1990年2月以来およそ33年11ヶ月ぶりに回復する場面もありました。そのため地合い強さが改めて意識されそうで、短期的な過熱感が一段と高まるなかでどこまで水準を切り上げることができるかが今週はポイントとなりそうです。なお、本日は引け後に東証が「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」について開示した企業の一覧表を公表する予定で注目を集めそうです。また、今晩の米国市場はキング牧師誕生日の祝日で休場です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)