エヌビディアは史上最高値を更新、マイクロソフトはアップルを抜き時価総額世界一になる

年明け1週目の米国株は下落しましたが、先週の米国株市場は上昇に転じ堅調に推移しました。S&P500は1.84%上昇、ナスダック100は3.23%の上げです。S&P500は先週末4783.83で引けましたが、これは2022年1月の高値引値4796.56から残すところ0.3%のところまで来ています。

GAFAM7社を含むNYSE FANG+指数は4.08%の上昇、先週のマーケットを牽引しました。

証券会社のポジティブコメントを受けたエヌビディア[NVDA]は先週11.4%上昇、1月11日には553.46ドルと史上最高値を更新しています。

先週アップル[AAPL]の株価は2.6%上昇、マイクロソフト[MSFT]は5.6%上昇、これによりマイクロソフトの時価総額は2.887兆ドル、一方アップルの時価総額は2.874兆ドルとなり、マイクロソフトの時価総額は世界最大となりました。私はアップルの成長は止まった訳ではなく、これは一時的なことであろうとみています。

アマゾン・ドットコム、アルファベットの人員削減を市場は好感、テスラは商船攻撃の影響で一時生産停止へ

アマゾン・ドットコム[AMZN]は、プライム・ビデオやコンテンツ制作部門で数百人を削減すると発表しました。また、アルファベット[GOOGL]もGoogleのハードウエアと「アシスタント」部門で数百人を削減すると発表しています。これは今後の利益の拡大を図るための更なるコスト削減と効率化に向けた動きであり、株式市場はこのようなニュースを好感しています。

先週テスラ[TSLA]の株価は7.8%下げています。イエメンの反政府勢力、フーシ派が紅海で船舶を攻撃したため、テスラは部品の輸送ルートの変更を余儀なくされたと発表。このため部品不足を理由に、テスラはベルリン近郊の工場で1月29日から2月11日までほとんどの自動車生産を停止すると発表しています。

米国大手銀行は好決算も、典型的なセル・オン・ザ・ニュースか

米国第4四半期の決算発表については、先週1月12日(金)の銀行セクターの決算発表で幕開けとなりました。大手銀行は軒並み事前予想を上回る決算発表を行ったのですが、株価の反応は芳しくはありませんでした。

7四半期連続で純金利収入(NII)の最高を更新したジェイピー・モルガン・チェース[JPM]は、2024年通年のNIIについてもアナリストの予想に反して増加するとの見通しを示したものの決算発表後の1月12日(金)に株価を下げました。これは、2023年10月末から今回の決算発表までに10年債利回りの下げを受け銀行セクター株が上がってきたこともあり、典型的なセル・オン・ザ・ニュース(噂や期待に基づいて買い、実際の出来事が発表された後に利益を確定させること)と考えられます。

ジェイピー・モルガン・チェース[JPM]、バンク・オブ・アメリカ[BAC]、ウェルズ・ファーゴ[WFC]は2023年10月27日の安値から先週末までそれぞれ25.5%、31.7%、26.5%も株価が上昇していました。

一方、2023年の米地銀破綻に関連する損失などで、他の金融機関に比べて業績が悪化しているシティグループ[C]は従業員の約1割にあたる2万人を2026年までに削減と大規模なリストラを行うと発表、同行の株価は1日で1%上昇しました。

本日1月15日(月)米国ではマーティン・ルーサーキング・ディでマーケットは休場です。

今週の主要決算発表は以下の通りです。

1月16日(火)ゴールドマン・サックス[GS]、モルガン・スタンレー[MS]
1月17日(水)アルコア[AA]、ディスカバー・フィナンシャル・サービシズ[DFS]
1月19日(金)ステート・ストリート[STT]