長引く中国株不振、その要因とは

2023年の香港ハンセン指数は-13.8%の下落でした。ハンセン中国企業指数は-14.0%、ハンセンテック指数は-8.8%、中国本土の上海総合指数も-3.7%と揃って下落に終わりました。

その間、米国のナスダック総合指数は+43.4%の大幅上昇、日本のTOPIXも+25.1%となるなど、主要国の株価は大幅上昇し、中国株の不振が目立つ年でした。

ゼロコロナ対策で落ち込んだ経済に、米中対立で中国への投資が減少し、海外マネーが流入しなくなり、むしろ引き上げられています。そこへ以前から深刻な問題ながら、深刻ゆえに先送りされ続けてきた不動産問題が再燃しています。

中国は海外のようにコロナ禍から景気を立ち直すことができずにおり、これらが株価に表れているのだと思います。もっともコロナ対策の政策修正で、当初こそ(2023年初頭)経済再開を期待する株高が起きましたが、これが期待外れとなったことによる失望感も大きいと思います。

香港ハンセン指数は初の4年連続下落

香港ハンセン指数は初めて4年連続の下落となっています。歴史を振り返れば、鄧小平時代の改革開放で中国経済が世界に解き放たれ、以降多くの年で株価は上昇してきました。世界で最も大きく上昇してきた株価地域であったとも言えます。

しかし、習近平政権になって以降は株価の動き自体が以前に比べて乏しくなり、多くの年で下がっています。同政権が大きく政策変更する可能性は低いと感じられますが、4年連続の下落によって割安感は相当なものとなっています。

配当利回りで言えば、5%以上ある銘柄は大型株でも幾つもあり、10%以上ということも珍しくない状況です。何らかの変化で大きく反発する下地はできていると思いますが、そのきっかけが見えてこない状態だと思います。香港ハンセン指数は現在2006年頃の位置にまで戻っていますが、この間の中国経済の成長を考えれば割安と考えることもできます。

2024年は海外展開する中国株に注目

ところで、2023年は大きく下げた中国株でしたが、年末には大きく反発していました。12月最終週の世界株で中国株は突出した上昇となり、ハンセンテック指数は週間+6.1%の大幅反発、中国企業指数+5.1%、ハンセン指数+4.3%となっていました。同じ週の米国株などは殆ど上昇していませんでした。

その前の週に、中国ではオンラインゲームの課金を規制する新たな草案が出され、業界を震撼させました。テンセント(00700)やネットイース(09999)などゲームを主力事業とする企業の株価が暴落しました。その下落が行き過ぎだったとの反動もあったと思いますが、4年続落となったことで、次の年にあたる2024年には反発するとの期待で年末に買いが入った可能性もあったのではないかと思います。

しかし、年初の香港市場は再び大きく下げて始まり、その後も下げ続け、香港ハンセン指数は1月8日までに5日続落しています。どうしても50日移動平均線を超えることができず、下落トレンドが続いています。

2023年の香港株(+米国にADR(米国預託証券)を上場している中国企業)をレビューすると、大型株は第4四半期に下げたことが響き、これがそのまま年初来の下落率となった模様です。

一方で、時価総額100位以下の中小型株は、第4四半期も下げてはいるのですが、年初来でより大きな下落率となっています。その要因は、これらの時価総額クラスの中に多数の不動産株が含まれており、不動産株が大幅な下落となったことによります。

関連して小型の地方銀行株なども大きく下げています。個別大型株で上昇した主な銘柄を挙げると、越境の格安EC「Temu」が世界的に普及しているPDDホールディングス(米国上場)[PDD]、EVの月次販売台数で快進撃を続ける理想汽車(02015)、最新四半期データでテスラ[TSLA]を抜いてEV世界一となったBYD(01211)などがあります。

その他、小型家電メーカーのブイシンク(02148)、中国よりも欧州、新興国で高いスマホ販売シェアを持ち海外売上比率が過半数を占める小米集団(01810)、アップル[AAPL]の電子部品メーカーでカメラモジュールの高偉電子(01415)、レノボなど世界的に普及しているPCを展開する聯想集団(00992)などがあります。

これらに共通する点は海外展開をしていることであり、中国の国内景気が低迷する中、外で稼ぐ中国企業に注目が集まったということが言えそうです。中国国内の景気が現在のままで推移するなら、2024年もその傾向は続くかもしれません。