東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は円安を受けて4日ぶりに反発となりました。109円高の33,397円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分余りでマイナスに転じましたが、30円安の33,257円で下げ渋ると持ち直し10時50分前に190円高の33,478円まで上昇し154円高の33,442円で前場を終えました。さらに上げ幅を広げ227円高の33,515円でスタートした後場の日経平均は12時40分前に279円高の33,568円まで上昇しました。しかし、節目の33,500円を上回ったところで伸び悩むと上げ幅を縮め結局89円高の33,377円で取引を終えています。一方で新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

高級ブランドのバッグや宝飾品などの高額品消費が好調で2023年12月の既存店売上高(速報値)が増収となったことで百貨店株が堅調でした。三越伊勢丹ホールディングス(3099)が一時4.0%高、エイチ・ツー・オーリテイリング(8242)が一時2.2%高、高島屋(8233)が一時1.9%高、J.フロントリテイリング(3086)も一時1.6%高となりました。円安を受けて自動車株も堅調でした。トヨタ(7203)が一時2.8%高、日産(7201)が一時1.6%高、ホンダ(7267)が一時3.0%高、SUBARU(7270)も一時3.6%高となりました。また、証券会社が不動産業の投資判断を最上位にしたことで不動産株が高く、三菱地所(8802)が一時4.2%高、三井不動産(8801)が一時5.1%高、住友不動産(8830)が一時4.6%高、東急不動産ホールディングス(3289)も一時4.9%高となりました。コナミグループ(9766)も一時5.2%高となりました。発売日が未定だった有力タイトルの新作が2024年に家庭用ゲーム機「プレイステーション5」向けに発売されることがプレイステーションのユーチューブの公式チャンネルで明らかとなったことから大幅高となりました。一方で114円台後半まで円安が進むなか、円安による仕入れコストの上昇を警戒した売りが出てニトリホールディングス(9843)や業務スーパーを展開する神戸物産(3038)が大幅安となりました。ニトリホールディングスが一時4.6%安となったほか、神戸物産も一時5.1%安となりました。東証スタンダード市場ではワークマン(7564)が一時3.5%安となりました。暖冬の影響で防寒着や手袋などの冬物商品の売り上げが伸び悩んだことなどから2023年12月の既存店売上高が前年同月比15.4%減となったことで売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は89円高となりました。144円台後半まで進んだ円安を受けて買いが優勢となりました。前場は節目の33,500円を前に伸び悩みましたが、後場に入ってさらに上げ幅を広げると33,500円を上回る場面もありました。しかし、3連休前ということや12月の米雇用統計の発表を控えていることもあって33,500円を小幅に超えたところで伸び悩むと33,500円を下回って取引を終えました。その米雇用統計は日本時間の22時30分に発表となります。米連邦準備制度理事会(FRB)による今後の金融政策を占ううえで関心が高い経済指標だけにマーケットの反応が注目されます。また、6日の午前0時には12月の米ISM非製造業景況感指数の発表も予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)