東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は続落となりました。80円安の33,458円で寄り付いた日経平均は直後にプラスに転じると取引開始から5分余りで113円高の33,652円まで上昇しました。しかし、買いが続かず伸び悩むとまもなくしてマイナスとなり69円安の33,470円で前場を終えました。73円安の33,466円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を広げ14時40分前に234円安の33,305円まで下落しましたが、引けにかけて持ち直すと結局75円安の33,464円で取引を終えています。一方でTOPIXは上昇となりましたが、新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
任天堂(7974)が一時3.7%高となり2007年11月以来およそ16年ぶりに上場来高値を更新しました。「ニンテンドースイッチ」が2024年3月で発売から8年目を迎えることから後継モデルが来年にも発表されるとの思惑から大幅高となりました。楽天グループ(4755)も7.5%高となりました。傘下の楽天モバイルの携帯キャリアサービスの契約数が600万回線を突破したと発表したことを材料視した買いが入りました。また、東証スタンダード市場では漫画古書販売のまんだらけ(2652)や岡山製紙(3892)が買われました。まんだらけは11月の既存店売上高が前年同月比9.0%増となったことで一時3.8%高となり、岡山製紙も価格改定の効果などにより2024年5月期の営業利益の見通しを上方修正したことから一時25.6%上昇しストップ高となり上場来高値を更新しています。一方でクスリのアオキホールディングス(3549)が一時8.6%安となりました。新株予約権の権利行使条件を達成する可能性が高まったことで株式報酬費用を計上したことにより130億円とみていた通期の純利益の見通しを113億円に下方修正し、一転して減益見通しとなったことから売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は75円安となりました。昨日の米国市場が小幅に高安まちまちとなり材料に乏しいなかで利益確定の売りや、休みを前にした持ち高調整の売りが出て続落となりました。しかし、やや残念な大納会となったものの2023年の日経平均の年間の上昇率は28.2%となり、「卯(う)は跳ねる」といった相場格言通りの年となりました。2024年の干支は辰(たつ)です。過去の辰年を振り返ると、2012年には22.9%の上昇となったうえ、バブルまっただ中の1988年にも39.9%の上昇となるなど大きく上げた年もみられます。そのため来年への期待も膨らみますが、まずは年明け早々に7月3日に付けたバブル崩壊後の高値(33,753円)を抜けてくることができるかがポイントとなりそうです。今年も当欄をご愛読いただき誠にありがとうございました。2024年もどうぞよろしくお願いいたします。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)