東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は続伸となりました。245円高の33,414円でスタートした日経平均は寄り付きを高値に伸び悩むと10時50分過ぎに71円高の33,240円まで上げ幅を縮め122円高の33,291円で前場を終えました。104円高の33,273円でスタートした後場の日経平均はさらに弱含み13時40分に52円高の33,221円まで上げ幅を縮めると結局84円高の33,254円で取引を終えています。一方で新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
大塚ホールディングス(4578)が一時2.8%高となりました。傘下の大塚製薬が主力の抗精神病薬「レキサルティ」についてうつ病の治療薬としての効能効果の承認を取得したと発表したことを好感した買いが入りました。三井海洋開発(6269)も一時21.9%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。本年度に受注した浮体式石油生産貯蔵積出設備(FPSO)の建造工事が想定以上に順調に進捗していることなどから67億円とみていた2023年12月期の純利益の見通しを129億円に上方修正したことから買いを集めました。また、造船大手の三井E&S(7003)も持分法適用関連会社である三井海洋開発が純利益の予想を引き上げたことから60億円とみていた2024年3月期の経常利益の見通しを90億円に上方修正したことで一時15.4%高となり年初来高値を更新しています。さらに東証スタンダード市場ではカンロ(2216)も一時3.9%高となりました。2024年2月からアメやグミを順次値上げすると発表したことで収益の改善を期待した買いが入りました。
一方で海運大手株が大幅安となりました。イエメンの親イラン武装組織フーシによる攻撃の激化を受けて海運業界で紅海の航行を回避する動きが広がるなか海運運賃の上振れを期待する買いで株価の上昇が続いてきましたが、船舶を守る新たな多国籍部隊の発足を受けてデンマークの海運大手のAPモラー・マースクが紅海経由の航行に向けて準備を進めていると発表したことから運賃上昇への期待が後退し売りが膨らみました。日本郵船(9101)が一時7.0%安、商船三井(9104)が一時6.9%安、川崎汽船(9107)も一時9.6%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は84円高となりました。米連邦準備制度理事会(FRB)が重視するインフレ指標が予想を下回る伸びとなったことで利下げ期待が一段と高まり先週末の米国市場でS&P500株価指数とナスダック総合株価指数が小幅に続伸となったことから買いが優勢となりました。一時は240円以上上げる場面もありましたが、今晩の米国市場をはじめ25日はクリスマスで欧米の主要市場が休場となることもあって市場参加者が限られることから寄り付きを高値に伸び悩みました。そのため25日移動平均線(33,158円)を上回ったものの上値の重さが先週末に続いて意識されそうです。なお、小売り企業を中心とした2月決算企業の第3四半期決算発表がスタートしています。本日も引け後にはあさひ(3333)やしまむら(8227)、高島屋(8233)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)