今週(12月15~12月21日)の相場動向

相場回顧 BTC:ハッキング事件で下落するもETF期待が下支え

ビットコインは、FOMC(米連邦公開市場委員会)がハト派的な内容になり、米国金利が急低下する中で上昇していたが、主要ハードウェアウォレットのレジャーでハッキング被害が起きたことが伝わると再び売りが強まった。

しかし、12月19日にかけてはブラックロックがビットコイン現物ETFの修正案を再度提出したことや、ビットワイズがビットコイン現物ETFのCM動画を公開したことが好感され、BTC=615万円(43,000ドル)付近まで急上昇した。レジャーに対する懸念の他、FRB当局者が市場の利下げ観測をけん制する発言が相次いだことで一時的に下落するタイミングも見られた。

しかし、翌20日にはレジャーが被害者への補償とバグへの対応方針を正式に発表し、安心感からBTC=629万円(44,000ドル)付近まで価格を伸ばした。市場では楽観ムードが継続し、米国金利の低下で米国株の上昇が続いたことも相場を後押しした。

来週(12月22日~12月28日)の相場予想

2023年最終週、BTCはETFに関し大きな動きがないことがむしろ来年に向けてポジティブか

来週はいよいよ2023年最後の週となる。年内のイベントを全て通過し、クリスマス休暇もある中で大きな動きはないだろうが、年末にかけては金融市場全体で一部ポジション調整や税金対策による売りが強まることには注意したい。

またビットコイン現物ETFの判断についてはおそらく2024年1月以降に持ち越しとなるため一時的に売りが強まる可能性がある。一方で申請企業とSEC(米証券取引委員)との間では前向きな議論が繰り返されており、審査結果が出るまでは期待継続によって相場は底堅く推移するだろう。

年内に承認あるいは拒否となった場合、2024年の半減期イベント(4月頃)まで材料難となってしまうため、このまま動きがないことはむしろポジティブに捉えられる。

直近上値として2022年3月高値付近であるBTC=643万円(45,000ドル)、下値として節目であるBTC=572万円(40,000ドル)を意識する。

※ビットコイン(BTC)最新動向と相場予想は次週12月29日休載いたします。年始は1月5日からの掲載予定となります。