◆「今年の漢字」は「税」に決まった。選ばれた理由は、今年は増税議論が活発に行われたこと、一方で所得税減税の話もあり、インボイス制度やふるさと納税など、多岐にわたる税にまつわる話題が取りざたされた…ということだけど、どうにもピンとこない。
◆ピンとこないのは僕だけでないようで、長野智子さんが朝日新聞デジタルにこんなコメントを寄せていた。【個人的に2023年は歌舞伎、ビッグモーター、日大、ジャニーズ、宝塚などなど、昔ながらの古いしきたりや組織運営による歪みが様々な問題を引き起こし、顕在化した一年だったなと感じています。その意味で「顕」とか「露」とかでしょうか。】
◆まったく同感である。大槻那奈さんも先週の「つぶやき」で、個人的には「金」を挙げたいと書いておられた。長期【金】利の上昇、【金】価格の最高値、政治と【金】(カネ)など、まさに今年のキーワードは「金」だと言える。
◆長野さんや大槻さんほどの「キレ」はないが、僕も個人的に一字を挙げるとすれば「上」か「昇」だ。株価は大きく上昇しバブル後高値をつけた。物価も賃金も金利も上がった。相場格言では「卯、跳ねる」。まさにいろいろなものが跳ね上がった一年だった。
◆しかし、「上昇」が今年一年限りで終わってはならない。米国もドイツもインドも世界の主要国の株価指数は史上最高値を更新している。日本も来年こそは史上最高値の更新にチャレンジだ。株価だけではない。2年連続で大幅な賃上げがなされ、デフレ脱却を確固たるものにしたい。今年高まった企業の経営改革の機運をさらに推し進めていかねばならない。2024年が日本の経済や資本市場にとって「挑む年」となることを願いたい。
今年もご愛読ありがとうございました。どうぞ良いお年をお迎えください。
広木隆