東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反発となりました。74円高の32,760円で寄り付いた日経平均は直後に46円高の32,732円を付けた後上げ幅を広げると11時前に436円高の33,122円まで上昇し394円高の33,080円で前場を終えました。370円高の33,056円でスタートした日経平均は13時過ぎに402円高の33,088円を付けた後伸び悩むと14時30分過ぎに191円高の32,877円まで上げ幅を縮めましたが、引けにかけて持ち直すと結局284円高の32,970円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場で主要な半導体株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が大幅高となり過去最高値を更新したことから半導体関連銘柄の一角が高く、信越化学工業(4063)が一時7.6%高となり上場来高値を更新したほか、東京エレクトロン(8035)が一時3.8%高、アドバンテスト(6857)が一時7.2%高、イビデン(4062)も一時5.8%高となりました。転職支援サイトを運営するビジョナル(4194)も一時11.7%高となりました。大企業がデジタル関連の人材を中心に中途採用を拡大していることを受け主力の転職サイト「ビズリーチ」の利用が活発となったことなどにより第1四半期の営業利益が前年同期比で33.8%増となったことから大幅高となりました。パート・アルバイトの求人サイト「バイトル」を運営するディップ(2379)も一時8.9%高となりました。米大リーグの大谷翔平選手とブランドアンバサダー契約を結んだと発表したことを材料視した買いが入りました。本決算を発表したパーク24(4666)も一時5.1%高となりました。2024年10月期の営業利益の見通しが市場予想に届かなかったことで売りが先行しましたが、5年ぶりの復配が見込まれることもあって売り一巡後に下げ渋ると買いが優勢となりました。また、円高一服を受けて自動車株に買い戻しが入り、トヨタ(7203)が一時2.0%高、日産(7201)が一時3.4%高、ホンダ(7267)が一時2.3%高、マツダ(7261)が一時3.9%高、SUBARU(7270)も一時4.9%高となりました。一方でVチューバー事業を手がけるANYCOLOR(5032)が一時15.1%安となりました。国内で活動するVチューバーグループ「にじさんじ」のグッズ販売が好調だったことなどで上期の営業利益は50.4%増となりましたが、8-9月期の営業利益が前年同期比で11.5%増にとどまり、5-7月期の90.5%増から伸びが大きく鈍化したことで売りが膨らみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は284円高となりました。2024年の利下げ期待を支えに昨日の米国市場が6日続伸となり、ダウ平均が前日に続いて史上最高値を更新したことから買いが優勢となりました。また、円高の一服もあり上げ幅を広げ節目の33,000円を上回り430円以上上げる場面もありました。しかし、25日移動平均線(33,125円)を前に伸び悩みました。そのため25日移動平均線が改めて上値抵抗線として意識されそうで、来週も25日移動平均線を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の22時30分に12月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数が発表されるほか、23時15分に11月の米鉱工業生産指数と設備稼働率が、そして23時45分には12月の米PMI速報値が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)