【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 37,090.24 △512.30 (12/13)
NASDAQ: 14,733.96 △200.57 (12/13)
1.概況
米国市場は米連邦公開市場委員会(FOMC)で2024年に3回の利下げを行う見通しが示されたことから5日続伸となり、ダウ平均が史上最高値を更新したほか、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数も連日で年初来高値を更新しています。23ドル高でスタートしたダウ平均は米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を午後に控え様子見となり前日の終値を挟んで小幅にもみ合う展開が続きましたが、FOMCの結果発表を受けて急速に上げ幅を広げると結局512ドル高の37,090ドルで取引を終え、2022年1月に付けた史上最高値(36,799ドル)を上回って取引を終えています。また、S&P500株価指数も63ポイント高の4,707ポイントとなり4日連続で年初来高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も200ポイント高の14,733ポイントとなりこちらも4日連続で年初来高値を更新しています。
2.経済指標等
米連邦準備制度理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で3会合連続で政策金利の据え置きを決めました。また、2024年末の政策金利見通しの中央値は9月会合の5.125%から4.625%に引き下げられ、9月会合時点で2回とみていた2024年の利下げ回数が3回へと変更されています。さらに11月の米卸売物価指数(PPI)は前年同月比0.9%上昇と前月から伸びが鈍化し市場予想も下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも公益事業と不動産が3%を超える上昇となったほか、ヘルスケアと生活必需品も2%近く上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が上げました。そのなかでもウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]が7%を超える上昇となったほか、ホーム・デポ[HD]も3%余り上げました。ダウ[DOW]とゴールドマン・サックス[GS]、アムジェン[AMGN]も3%近く上昇し、メルク[MRK]とキャタピラー[CAT]、アメリカン・エキスプレス[AXP]も2%以上上げています。一方でベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]とIBM[IBM]、マイクロソフト[MSFT]の3銘柄が小幅に下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、半導体株が堅調でマイクロン・テクノロジー[MU]とテキサス・インストゥルメンツ[TXN]が2%以上上昇し、エヌビディア[NVDA]とブロードコム[AVGO]、ウエスタン・デジタル[WDC]も1%以上上げています。ファイザー[PFE]は新型コロナウイルス関連製品の需要減が2024年12月期の業績を押し下げるとの見通しを示したことで6%を超える下落となっています。
5.為替・金利等
長期金利は米連邦公開市場委員会(FOMC)での2024年内の利下げ観測を背景に0.18%低い4.02%となりました。こうしたなかドル円は大きく円高に振れ142円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
米国市場が上昇する一方で、円高が進むなど強弱材料が入り混じる格好となっていることから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均はドル円などの動向をにらみながらの展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)