【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 35,950.89 △520.47 (11/30)
NASDAQ: 14,226.22 ▼32.27 (11/30)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は決算を発表したセールスフォース(CRM)の大幅高を受けて上昇となりましたが、ナスダック総合株価指数は長期金利の上昇を受けてハイテク株の一角が売られたことで下落となりました。166ドル高でスタートしたダウ平均は昼前に350ドル高近くまで上昇した後一旦伸び悩みましたが、引けにかけて一段高になると結局520ドル高の35,950ドルで取引を終え3日続伸となり、8月1日に付けた年初来高値(35,630ドル)を更新しています。また、S&P500株価指数も17ポイント高の4,567ポイントと反発となりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は32ポイント安の14,226ポイントと続落となっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比7,000件増の21万8000件となりました。11月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)も55.8と前月から上昇し市場予想も上回りました。10月の米中古住宅仮契約指数も前月比1.5%低下の71.4となりましたが市場予想を上回っています。一方で個人消費支出(PCE)は前月比0.2%増にとどまり市場予想を下回りました。10月の米個人消費支出(PCE)物価指数も前年同月比3.0%上昇となり市場予想を下回っています。また、変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は前年同月比3.5%上昇し市場予想と一致しました。10月の米個人所得も前月比0.2%増となり市場予想と一致しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、ヘルスケアと金融、資本財・サービスが1%以上上昇したほか、素材も1%近く上げました。一方でコミュニケーション・サービスと一般消費財・サービス、情報技術の3業種が下げ、コミュニケーション・サービスは1%安となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が上げました。そのなかでもセールスフォースが決算で売上高などが市場予想を上回ったことや、通期の1株利益の見通しを上方修正したことで急伸し9%を超える上昇となったほか、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]とボーイング[BA]も3%以上上げました。また、アメリカン・エキスプレス[AXP]も2%近く上昇しています。一方でインテル[INTC]とウォルマート[WMT]、シェブロン[CVX]、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]、ナイキ[NKE]の5銘柄が小幅に下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、交流サイト(SNS)のスナップ[SNAP]が投資判断と目標株価の引き上げを受けて6%を上回る上昇となりました。ビッグデータ管理分析のスノーフレイク[SNOW]も目標株価の引き上げが相次いだことで7%高となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.07%高い4.32%となりました。ドル円は148円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場でダウ平均が大幅高となり年初来高値を更新したことから堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の33,500円を超えてどこまで上値を伸ばすことができるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)