東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日続落となりました。163円安の33,244円で寄り付いた日経平均は10時前に229円安の33,179円まで下落しましたが、売り一巡後に下げ渋ると10時30分頃にプラスに転じ後場に入り12時50分前には107円高の33,516円まで上昇しました。しかし、節目の33,500円を小幅に上回ったところで伸び悩むと再びマイナスとなり結局87円安の33,321円で取引を終えています。一方で新興市場は高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
ニトリホールディングス(9843)が一時3.1%高となりました。一時146円台後半まで進んだ円高を受けてドル建てで輸入する商品の仕入れコスト減による利益率の改善を期待した買いが入りました。また、投資判断と目標株価の引き上げを受けてファンケル(4921)が一時3.6%高となったほか、目標株価の引き上げを受けて平和(6412)も一時4.5%高となりました。さらに東証スタンダード市場ではスマートバリュー(9417)が20.7%上昇しストップ高となりました。さくらインターネット(3778)が政府クラウドの提供事業者に選定されたことで昨日に続いてストップ高となるなか、8月にさくらインターネットと日本全体の行政サービスの最適化に向け行政DX領域での連携に向けて協議を開始したと発表していたことから、スマートバリューにも思惑買いが向かいました。一方で神戸製鋼所(5406)が4.3%安となりました。ユーロ円建ての新株予約権付社債(転換社債)を発行し500億円を調達すると発表したことで将来的な1株利益の希薄化を懸念する売りが出ました。そーせいグループ(4565)も8.9%安となりました。海外での公募と第三者割り当てによる増資に加え、新株予約権付社債(転換社債)を発行すると発表したことで将来的な株式価値の希薄化や株式需給の悪化を懸念した売りが優勢となりました。さらに日米の長期金利の低下を受けて大手銀行株が安く、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が2.8%安、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が2.6%安、みずほフィナンシャルグループ(8411)が3.1%安、りそなホールディングス(8308)も2.7%安となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は87円安となりました。一時146円台後半まで進んだ円高が重石となり続落となりました。しかし、押し目買いが入り売り一巡後に下げ渋ると買いが優勢となり上げ幅を三桁に広げ節目の33,500円を回復する場面もありました。そのため続落となったものの年初来高値(33,753円)回復や年末株高への期待は依然として高いといえそうです。なお、日本時間の22時30分に7-9月期の米実質国内総生産(GDP)改定値が発表されるほか、30日午前4時には米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)