東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に続落となりました。72円高の33,520円で寄り付いた日経平均は直後に98円高の33,545円を付けましたが、上げ幅を三桁に広げることなく伸び悩むと直ぐにマイナスとなり10時40分過ぎには149円安の33,298円まで下落しました。その後下げ渋ると持ち直し後場に入ってプラスとなる場面もありました。しかし、昨日の終値を小幅に上回ったところでは上値が重く結局39円安の33,408円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
双日(2768)が一時9.9%高となりました。2027年3月期を最終年度とする中期経営計画の基本方針を発表し、中計期間平均の当期利益1,200億円超、自己資本利益率(ROE)12%超などとする目標や、調整後株主資本配当率(DOE)4.5%をベースとした累進配当といった株主還元方針を示したことで大幅高となりました。さくらインターネット(3778)も25.0%上昇しストップ高となりました。デジタル庁が政府や自治体の情報を効率的に管理するためのガバメントクラウド(政府クラウド)の事業者に、日本企業として初めてさくらインターネットを選んだと発表したことで買いを集めました。また、東証スタンダード市場では工場向け除湿機を製造する西部技研(6223)が26.4%上昇しストップ高となりました。電気自動車(EV)用リチウムイオン電池の製造工場向けで除湿機の大型案件を受注したと発表したことを材料視した買いが入りました。一方で第3四半期決算を発表したダイドーグループホールディングス(2590)が一時4.1%安となりました。海外の飲料販売が好調なことから21億円とみていた2024年1月期の営業利益の見通しを25億円に上方修正しましたが、材料出尽くしとなり売りが優勢となりました。さらに目標株価の引き下げを受けて資生堂(4911)が一時2.8%安となり年初来安値を更新したほか、投資判断と目標株価の引き下げを受けてシャープ(6753)も9.5%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は39円安となりました。昨日の米国市場が小幅な下落に止まったことから買いが先行しましたが、節目の33,500円を小幅に上回ったところで伸び悩むと売りが優勢になりました。しかし、小幅な下げに止まったことから地合いは大きく崩れていないといえそうで、7月3日に付けた年初来高値(33,753円)回復への期待は依然高いといえそうです。なお、日本時間の29日午前0時には11月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数の発表が予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)