新NISAスタートまでいよいよ1か月強に迫りました。みなさんも、いろいろご検討されていると思いますが、このコラムを書いているからには金融機関はマネックスを、投資信託はピクテで、ぜひご検討いただきたいところです!

今回は、よく言われる、新NISAの市場影響を考えたいと思います。第一に、どのくらいのマネーが動く可能性があるのか。政府が昨年発表した「資産所得倍増プラン」の目標は、5年でNISA口座数も累計買い付け金額も2倍、即ち3400万口座・56兆円というものです。今年6月時点の累計買い付け金額は32.7兆円なので、目標達成には、あと4年で23兆円の買い付け額という見通しです。

これに従うと、年平均5兆円強の買いのうち、例えば3割程度が日本株だとすると、年1.5兆円という規模になります。昨年1年間の個人と投資信託合計の買い越し額が1兆円強だったことを考えると、市場にとって相応に意味のある金額だと思われます。

次に為替市場です。海外証券の人気から、買い付け額の5割がドル建ての資産に投資されると、毎年2.5兆円程度の投資となります。居住者による対外証券投資の買い越し額は過去10年で平均9.6兆円となっています。状況によっては、新NISAの海外証券買い付け額は一定のドル高要因になる可能性も否定できないでしょう。

新NISAは、すぐに残高が積み上がるわけではありませんし、成長投資枠については、タイミングを待ちたい個人投資家の方々も多いため、 スタート当初は「掛け声倒れ」のような報道もあるかもしれません。しかし、これだけの規模の投資非課税枠は日本の歴史でも例を見ません。1963年から1988年まで続いたマル優・特別マル優でも600万円でした。もちろん、市場への期待次第ではありますが、市場へのポジティブな影響も含めて、期待を持って新NISAのローンチを迎えたいと思います。