寝ても覚めても、トランプ大統領の動向と世界情勢から目が離せません。特に関税政策は二転三転し、毎日のように状況が揺れ動いています。今後も一波乱、二波乱ありそうですが、アメリカは短期的な痛みをいとわず、自国にとって最善の形を追求し続ける覚悟で交渉のテーブルに臨んでいる。その姿勢は、1ミリも揺らいでいないように感じます。だからこそ、各国もそれを踏まえ、「何を取り、何を譲るのか」、最終的なゴールを明確に見据えた、総合的な交渉戦略が求められているのでしょう。
一般的には、トップがあれこれと方針を変えれば、「こんなんじゃついていけない!」となるものですが、トランプ政権の首脳陣はそうは見えません。むしろ、一見カオスに見える中でも、チームが一枚岩となって動いている印象を受けます。めちゃくちゃに見えて、実は地盤が固い。不思議な安定感さえ感じます。これは1期目のトランプ政権では見られなかった現象かもしれません。
そしてウクライナ情勢。2月28日の米ウ首脳会談で激しい口論があった直後は、どうなることかと心配しましたが、その後の調整を経て、停戦に向けた共同声明を発表するまでに至りました。もちろん、ロシアの出方次第では予断を許しませんが、それでも和平に向けた道筋が見え始めたのは、大きな進展ではないでしょうか。特筆すべきは、あの決裂からわずか11日で合意形成にこぎつけたスピード感。危機迫る状況だったことは間違いないと思いますが、国家間交渉でこのスピードは驚異的です。比べるものではありませんが、日本の政治課題が議論されるスピード感とは、やはりダイナミズムの違いを感じざるを得ません。
とはいえ、こうした予測不可能な動きが続く中で、マーケットは高いボラティリティを伴っています。だからこそ、長期的な視点を持ちながらも、しっかりとリスク管理を行うことがこれまで以上に重要ですね。そんなタイミングで、今週末の3月15日に、「マネックス証券お客様感謝Day2025」を開催します。日頃の感謝を込めたこの会は、豪華な講師陣がそろっており、マーケットの最新動向や今後の展望についてもお話しできればと考えています。会場での参加は既に締め切っていますが、マネックス証券のお客様であれば、当日はオンラインでもご視聴いただけます。不確実性が増すこの時代、質の高い情報を得ることが、一歩先を行く投資戦略の鍵になるはずです。ぜひご参加ください。
- 清明 祐子
- マネックスグループ 代表執行役社長CEO/マネックス証券株式会社 取締役社長執行役員
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2001年4月株式会社三和銀行(現 株式会社三菱UFJ銀行)入行、2006年12月に株式会社MKSパートナーズに転じ、2009年2月にマネックス・ハンブレクト株式会社(2017年マネックス証券と統合)入社。2011年6月マネックス・ハンブレクト株式会社代表取締役社長を経て、2013年3月 マネックスグループ執行役員、2016年6月グループ執行役、2019年4月マネックス証券株式会社代表取締役社長に就任。2020年1月グループ代表執行役COO、2021年1月グループ代表執行役COO兼CFOに就任。2021年6月グループ取締役就任、2022年4月グループ取締役兼代表執行役 Co-CEO兼CFO就任、2023年6月より取締役兼代表執行役社長CEO(現任)。2024年1月マネックス証券取締役社長執行役員。