先週末、11月18日に開催された第18回世界の資産運用フェアでは、2024年から制度が拡充される新NISAの仕組みに関する講座も実施されました。複雑でわかりにくい新NISAですが、金融資産を使った個人投資家の資産形成に活用しない手はありません。

2024年から変わるのは、制度の枠拡大と1本化、期間の恒久化、そして投資枠の復活です。今回は、新NISAについて押さえておきたいポイントを解説します。

新NISAの押さえておきたい5つのポイント

1.2024年から始まる新NISA、従来のNISAからさらに充実した内容へ

これまでのNISAは、一般NISAとつみたてNISAに分けられ、どちらか1つしか選ぶことができませんでした(それ以外にジュニアNISAもあり)。

2024年からは制度が1本化され、その中でつみたて投資枠と成長投資枠の2つが利用できることになります。つまり、1人で両方活用できる点がポイントです。

2つ合わせると、投資金額ベースで年間最大360万円、5年間で1800万円までの投資をすることが可能になります。

2.現在のNISA口座はそのまま引き継ぐことが可能

既にNISA口座を保有している人は、自動的に2024年もその口座を使うことができます。同じ金融機関でNISAを続けるのであれば、新たにNISA口座開設の手続きを行う必要はありません。

3.2023年の投資枠は2024年以降と合算されない

現在のNISAで投資している金額は、2024年からの新NISAの金額にはカウントされず、別枠となります。

ということは、2023年のうちに現在の投資可能額を使い切っておけば、2024年からの分と合わせてさらに非課税枠を広げることができます。

私は現在一般NISA口座を保有しており、2023年の年間120万円の利用枠を年内に使い切る予定です。

4.売却すると非課税の投資枠が復活する

現⾏NISAでは、保有している商品を売却しても、⾮課税で保有できる枠(⾮課税保有限度額)は再利⽤できません。しかし、2024年から始まる新NISAでは、売却した⾦額分の枠を再利⽤できるようになります。

年間投資枠(成長投資枠とつみたて投資枠合わせて年間360万円)の範囲内で翌年以降に枠を再度利⽤することが可能です。

5.成長投資枠でも積み立てができる

新NISAでは、つみたて投資枠だけではなく、成長投資枠でも積立ができます。

つみたて投資枠で毎月10万円、成長投資枠で毎月20万円の投資を行えば、合計で最大30万円(年間360万円)の積立投資ができることになります。

また、同じ銘柄を2つの枠で投資しても良いので、投資商品を自由に組み合わせることが可能です。

現行・新NISAの口座を開設する金融機関はネット証券一択

現行NISA、新NISAに関わらず、NISA口座を開設できる金融機関は1つだけです。私はNISA口座での投資も低コストのインデックスファンドを活用するのが王道だと思っています。

とすれば、低コストのインデックスファンドの品揃えが充実しているネット証券を利用するのが良いのではないでしょうか。

現行NISA口座の開設から今すぐ始めよう

2023年のうちに現行NISA口座を開設しておけば、年内は現状の2023年分のNISAの枠を使って非課税で投資ができます。さらに、新たな手続きをしなくても口座はそのまま2024年からの新NISAに自動的に移行するので便利です。

まだ現行NISA口座を利用していない人は、早速口座開設の手続きを行い、税制優遇メリットのある投資を始めてみてはいかがでしょうか。