10月のインフレ指数は予想を下回り、利下げ期待高まる

米国株は2週連続で上昇です。

先週発表された10月のインフレ指数が予想を下回ったことで、市場では利下げに対する期待感が高まりました。また、米国の懸念であった米政府のつなぎ予算案をめぐっては、先週の締め切りまでに議会で合意され、バイデン大統領は11月17日(金)に同予算案に署名、予算は成立され、米政府の一部閉鎖は回避されました。

このような展開を受け、米国10年債利回りは11月10日(金)の4.65%から先週1週間で4.43%まで下がり、株価は上昇という教科書的な流れとなりました。

また、先週サンフランシスコで行われたアジア太平洋経済協力会議(APEC)で、バイデン大統領と習近平国家主席との約1年ぶりの会談もあり、これまで会話もなく、不安定であった米中関係に対する懸念が和らいだという、地政学的リスクの後退もマーケットの上げに貢献したのではないかと考えています。

小型株が買われ、市場の裾野が広がりを見せる米国株市場

S&P500は先週2.24%の上げ、ナスダック100は1.99%の上げとなりました。

そんな米国株のマーケットではこれまでと違う動きが散見されました。大型株指数のS&P500は2.24%の上げに対し、中型株指数のS&P400は3.98%の上げ、小型株指数のラッセル2000は5.42%の上げとS&P500を大きくアウトパフォームしています。これは市場の裾野が広がったことを示唆しています。

目先の市場の方向性を決めるのはエヌビディア[NVDA]の決算発表

今週の11月21日(火)の引け後にはエヌビディア[NVDA]の第3四半期の決算発表が予定されています。世界的に注目されているAI関連テーマの主人公の一社である同社の今期の業績に加え、今後の見通しに世界中の株式投資家は注目しています。これからの米国株市場の方向性を決める要因の1つとして要注目のイベントです。

アノマリーが示唆する感謝祭の週と翌週のS&P500の推移

米国株には不思議なアノマリーがあります。米国では、今週11月23日(木)はサンクスギビング・デー(感謝祭)で米国市場は休場です。1928年からのこれまでのデータによると、感謝祭の週S&P500は60%の確率で上昇、平均で0.27%の上げとなっているのですが、大統領就任3年目の感謝祭の週は48%の確率で上昇、平均で0.27%の下落という、違う結果となっているのです。

ではその後の展開ですが、大統領就任3年目の感謝祭の翌週については、今度は70%の確率でS&P500は上昇、その変化率は0.39%の上げとなっています。

今週米国株が下がりやすいという、このアノマリーを変えることができるならば、エヌビディアの好決算発表となるのでしょう。