東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は続伸となりました。175円高の32,760円で寄り付いた日経平均は10時20分前に82円高の32,667円まで上げ幅を縮めました。しかし、そこから切り返すと11時に251円高の32,836円まで上昇し172円高の32,757円で前場を終えました。110円高の32,695円でスタートした後場の日経平均は13時前に233円高の32,818円を付けた後伸び悩みましたが、引き続き堅調に推移すると結局110円高の32,695円で取引を終えています。一方で新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
上期決算を発表したみずほフィナンシャルグループ(8411)が一時3.4%高となりました。顧客部門と市場部門がともに堅調に推移していることや、円安の影響で海外収益も上振れすると見込まれることなどから6,100億円とみていた通期の純利益の見通しを6,400億円に上方修正したことから買いが優勢となりました。光通信(9435)も一時5.7%高となりました。電力事業で取引価格の変動リスクに対応した新プランが個人、法人向けともに伸びたことなどから上期の営業利益が前年同期比で5.1%増となり市場予想を上回ったことで大幅高となりました。コーセー(4922)も一時12.9%高となりました。高価格帯の商品が好調に推移したほか、外出機会が増えて日焼け止めも売れたことなどにより第3四半期の営業利益が前年同期比で28.4%増となったことから上げ幅を広げました。同じく第3四半期決算を発表した堀場製作所(6856)も一時13.8%高となり年初来高値を更新しました。通期の為替想定レートを円安方向に見直したことで半導体製造装置向け計測機器の円換算の売上高が増えることなどから410億円とみていた通期の営業利益の見通しを430億円に引き上げたことで買いを集めました。一方で上期決算を発表した博報堂DYホールディングス(2433)が一時12.9%安となり年初来安値を更新しました。米国景気の先行きが不透明となるなか北米向けのマーケティング事業などが低迷すると見込まれることなどから490億円とみていた通期の営業利益の見通しを350億円に下方修正したことから売りがかさみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は110円高となりました。昨日の米国市場でダウ平均が続伸となったことに加え、151円台後半まで円安が進んだこともあり買いが優勢となり、一時は250円以上上げる場面もありました。しかし、一日を通して堅調に推移したものの、10月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることもあり上値を追う動きは限定的で伸び悩みました。その米CPIは日本時間の22時30分に発表となります。総合指数は前月から伸びが鈍化するとみられていますが、コア指数は横ばいの見通しです。米連邦準備制度理事会(FRB)の今後の金融政策を占ううえで関心が高いだけに結果を受けてのマーケットの反応が注目されます。また、先月下旬から続いてきた決算発表も終盤ですが本日も引け後にはテルモ(4543)や出光興産(5019)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)などが決算を発表する予定です。さらに明日は寄り付き前の8時50分に7-9月期の国内総生産(GDP)が発表となります。4四半期ぶりのマイナス成長が見込まれていることから注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)