東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高と円安を受けて大幅続伸となりました。452円高の31,311円で寄り付いた日経平均は直後に442円高の31,301円を付けた後上げ幅を広げると取引開始から20分弱で700円高の31,559円まで上昇し616円高の31,475円で前場を終えました。633円高の31,492円でスタートした後場の日経平均はさらに上げ幅を広げると結局742円高の31,601円で取引を終え高値引けとなっています。一方で新興株は安く東証マザーズ指数が下落となりました。

2.個別銘柄等

取引時間中の13時55分に上期決算を発表したトヨタ(7203)が一時6.3%高となりました。想定為替レートを円安方向に見直したことなどにより3兆円とみていた通期の営業利益の見通しを4兆5000億円に上方修正したことから決算発表後に一段高となりました。また、一時151円台後半まで進んだ円安を受けて他の自動車株も高く、日産(7201)とマツダ(7261)が一時5.5%高、ホンダ(7267)が4.1%高、SUBARU(7270)も一時6.8%高となりました。昨日の引け後に上期決算を発表した村田製作所(6981)や三菱電機(6503)も大幅高となりました。村田製作所は円安や固定費の削減などにより2200億円とみていた通期の営業利益の見通しを2700億円に上方修正したことから一時13.5%高となりました。三菱電機も空調や家電が堅調だったことなどで上期の営業利益が前年同期比で68.7%増となったことから一時15.0%高となっています。レーザーテック(6920)も一時7.9%高となりました。半導体製造装置の引き合いが強く第1四半期の営業利益が前年同期比で20.8%増となったことを好感した買いが入りました。大塚ホールディングス(4578)も一時5.7%高となりました。世界で販売する「グローバル4製品」と呼ばれる主力の医薬品の販売が好調で第3四半期の営業利益が前年同期比で76.5%増となったことから買いが優勢となりました。一方で昨日に引け後に上期決算を発表したアドバンテスト(6857)が一時8.3%安となりました。最終製品の需要回復が遅れ半導体検査装置の売り上げが低迷していることなどにより1050億円とみていた通期の営業利益の見通しを800億円に下方修正したことから売りが膨らみました。住友林業(1911)も一時7.7%安となりました。住宅ローン金利の上昇などを背景に海外住宅事業が苦戦したことなどで第3四半期の営業利益が前年同期比で12.1%減となったことから大幅安となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】


本日の日経平均は742円高となりました。昨日の米国市場が続伸となったことや、一時151円台後半まで進んだ円安を受けて買いが優勢となり、上げ幅を大きく広げ25日移動平均線(31,468円)をしっかりと上回って取引を終えました。そのため警戒ムードが大きく和らぐことになりそうで、調整一巡への期待も出てきそうです。なお、3月決算企業の上期決算発表が続いています。本日も引け後には日本製鉄(5401)やTDK(6762)、京セラ(6971)、ヤマハ(7951)、ヤマトホールディングス(9064)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時15分には10月のADP全米雇用ポートが発表されるほか、23時には10月の米ISM製造業景況感指数や9月の米雇用動態調査(JOLTS)が発表される予定です。さらに2日午前3時には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が発表されます。利上げは見送られるとみられていることからパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言などに注目が集まりそうです。