日本の長期金利も2012年以来の1%に達しつつあります。マイナス金利の解除も、すぐそこまで迫っています。

あまりに久しぶりで、金利がある世界の金融市場は、誰にとってもイメージしにくくなっています。とりあえず、重要なポイントを考えてみたいと思います。

まず、金利がある世界では、言うまでもなく債券の魅力が増します。最近発行が減少しているようですが、物価連動国債なども魅力が増しています。

第二に、業界間の濃淡です。例えば、設備負担が重い不動産業やインフラ関連を始めとして、どの業界にとっても利払い費用拡大はマイナスです。しかし、金融業界だけは、金利を受け取る方なので、周知の通り金利上昇はプラスです。政策金利の引き上げへの期待は、現在の銀行株にある程度織り込まれているものの、やはり、いざマイナス金利が解除されれば、その後の動きへの期待感も含めて、銀行株はプラスの反応を示すでしょう。

第三に、住宅ローンの借り入れについて。変動金利で借りている方々にとって、金利の上昇は大きな不安材料でしょう。一般論としては、リスク回避のために早めに固定金利に切り替えるべき、ということかもしれませんし、メディアではそうした論調が多いです。しかし、大抵の変動型ローンには、事前通知で固定型に変えられるオプションが付いています。そして、現在の変動型と固定型の格差は、1%以上となっており、今すぐ変更してしまうとロスも大きくなります。マイナス金利が解除された時点で、自分の借入金利がどの程度上がるのか、政策金利はもっと上がるのか、等から固定型に変えるか否かを判断してもよいのではと思います。

今年から来年にかけては、日本も10年に一度あるかないかの金利変動期になるでしょう。株価と異なり、普段ニュースになりにくい金利についても、当面は細心の注意を払っていきたいと思います。