下ヒゲ発生後の株価はどう動いたのか?
前回のコラムでは、下ヒゲの古典的な解釈として、「ヒゲの長いローソク足だけで判断するのは避けた方が良い」と解説しましたが、実際はどのように動いたのでしょうか?
下ヒゲを形成したのは10月24日でしたが、10月25日は続伸して下向きの5日移動平均線を上回って取引を終えました。
ただ、5日移動平均線が下向きのままだったことに加え、後ほど確認するモメンタムについても低下傾向が続いていたことから、10月26日は窓をあけて大幅安となり、結局下ヒゲの安値水準まで下落する結果となりました。
また、その後も反発する場面がありましたが、下向きの5日移動平均線に押し返され、狭いレンジでの値動きが続いていたことがわかります。
このように、長い下ヒゲを形成したからといって反発が継続するわけではなく、むしろ5日移動平均線の向きを見た方が、売買判断には役立ったことになるのではないでしょうか。
こうしたことから、下ヒゲだけを見て値動きを判断するのは控えた方が良いということがわかります。では、一方のモメンタムはどのように変化していたのでしょうか?
モメンタムの水準はどう変化したのか?
上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ますと、下ヒゲを形成した10月24日時点では、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを下回った水準で下向きのままとなっていました。
また、10月25日の反発時でも、モメンタムはその移動平均線であるシグナルに届かなかったことに加え、10月26日には大きく低下しているのがわかります。
ただ、週が変わった10月30日や31日のモメンタムを見ますと、モメンタムがシグナルを上回っているとともに、シグナルが上向きに変化しています。
このような状況から、モメンタムとシグナルの両方が上昇するようですと、一旦反発に向かうことが考えられ、売りポジションを持っている投資家は買い戻す必要があるということになります。
11月相場のポイントは?
そのような中、11月相場をどのように考えれば良いのでしょうか?トレンド分析では、上向きの200日移動平均線上を維持している間は、中期の上昇トレンドが継続中と考えられるため、200日移動平均線に接近しても割り込まずに反発したり、割り込んでも反発して200日移動平均線上を回復したところでは、押し目買いのタイミングになることが考えられます。
一方で、反発しても25日移動平均線や75日移動平均を超えられなかったり、押し返されたりした場合はもち合い相場が形成されていることになるため、75日移動平均線と200日移動平均線のどちらかを終値でブレイクしてトレンドが発生するまでは、売買タイミングに注意する必要があります。
また、モメンタムについても、0ラインを突破して上昇が続くまでは、上昇の勢いが強まったとは言えないため、0ラインで押し返されたり、下向きに変化して低下したりするときは、高値掴みを避けるとともに、利益確定売りを優先させる必要があるのではないかと思われます。
このような状況から、11月相場は方向を探る展開になることが考えられ、発生したトレンドと逆のポジションを持っている投資家は、損失の発生や拡大に注意したいところです。