東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日ぶりに反発となりました。157円高の31,157円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分弱で210円高の31,210円まで上昇しましたが、朝方の売り一巡後に伸び悩むとマイナスに転じ10時40分前には447円安の30,551円まで下落しました。しかし、節目の30,500円を前に下げ渋ると持ち直し後場に入り14時過ぎにプラスとなり14時50分過ぎには156円高の31,155円まで上昇しました。その後は引けにかけてやや上げ幅を縮めましたが結局62円高の31,062円で取引を終えています。こうしたなか新興株も堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

ニデック(6594)が一時11.2%安となり年初来安値を更新しました。円相場がドルやユーロに対して想定以上に円安水準で推移したことなどにより上期の営業利益は前年同期比で20.1%増となりましたが、市場予想に届かなかったことで売りが膨らみました。コーエーテクモホールディングス(3635)も一時2.6%安となり年初来安値を更新しました。第2四半期に発売したパッケージゲームの初動が計画を下回ったことで152億円とみていた上期の営業利益の見通しを135億円に下方修正したことから売りが優勢となりました。後発薬大手のサワイグループホールディングス(4887)も一時6.0%安となりました。傘下の沢井製薬の九州工場で製造する胃潰瘍や急性胃炎向けの後発薬で、厚生労働省に提出した承認書とは異なる方法で品質試験をしていたと発表したことで下げ幅を広げる場面がありました。

一方で富士急行(9010)が一時6.1%高となりました。国内レジャー需要の回復に加え、インバウンド需要の急回復を受けて運輸業、ホテル業を中心に国内外の利用者が順調に推移したことなどにより上期の業績予想を上方修正したことから大幅高となりました。半導体の設計開発を手掛けるソシオネクスト(6526)も一時5.1%高となりました。自動運転システムなどに使う次世代自動車向けの半導体チップを開発し2026年から量産を始めると発表したことを材料視した買いが入りました。また、投資判断や目標株価の引き上げを受けて上場来高値を更新したのがサイゼリヤ(7581)や吉野家ホールディングス(9861)で、サイゼリヤが一時6.4%高、吉野家ホールディングスも一時5.1%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は62円高となりました。昨日までの3日間で1,000円以上下げていたこともあり買いが優勢となりました。朝方には節目の31,000円を超えて上げ幅を広げ210円高となる場面もありましたが、買い一巡後に失速すると売りが優勢となり一時は440円以上下げる場面もありました。しかし、節目の30,500円を前に下げ渋ると持ち直し小幅に上げて取引を終えました。そのため押し目買い意欲は健在だといえそうで、このまま31,000円で下値を固めることができるかがポイントとなりそうです。なお、先週から3月決算企業の上期決算発表がスタートしています。本日も引け後にはオービック(4684)や富士通ゼネラル(6755)などが決算を発表する予定です。また、24日の米国でもコカ・コーラ[KO]やグーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]、マイクロソフト[MSFT]、スリーエム[MMM]、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]、ダウ[DOW]、ビザ[V]などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)