【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,665.08 ▼332.57 (10/18)
NASDAQ: 13,314.30 ▼219.45 (10/18)
1.概況
米国市場は長期金利の上昇や中東情勢が相場の重荷となり大幅下落となりました。37ドル安でスタートしたダウ平均は直後に6ドル安まで持ち直しましたが、上値は重く戻し切れないと下げ幅を広げ昼過ぎに280ドル安近くまで下落しました。その後一旦下げ渋ると94ドル安まで持ち直す場面もありました。しかし、取引終盤に再び下げ幅を広げると引け間際に399ドル安まで下落し結局332ドル安の33,665ドルで取引を終え4日ぶりに反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も219ポイント安の13,314ポイントと続落となりました。
2.経済指標等
9月の米住宅着工件数は年率換算で前月比7.0%増の135万8000戸に止まり市場予想を下回りました。また、米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備制度理事会(FRB)は経済活動が大部分の地区でほとんど変化がなかったとしています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、素材と資本財・サービス、一般消費財・サービス、不動産が2%を超える下落となりました。一方でエネルギーと生活必需品の2業種が上げ、エネルギーは1%近く上昇しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が下げました。そのなかでもウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]が7%安となったほか、キャタピラー[CAT]も5%近く下落しました。ゴールドマン・サックス[GS]とセールスフォース[CRM]、スリーエム[MMM]、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]、メルク[MRK]も2%以上下げています。一方で6銘柄が上げ、決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったプロクター・アンド・ギャンブル[PG]が2%を超える上昇となり、マクドナルド[MCD]も2%近く上げています。ダウ平均構成銘柄以外では半導体関連株が安く、目標株価の引き下げを受けてエヌビディア[NVDA]が4%近く下げ、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]も3%近く下落しています。
また、オランダの半導体製造装置メーカーのASMLホールディング[ASML]が決算で売上高が市場予想に届かなかったことから4%以上下げています。さらに主力ハイテク株も安く、テスラ[TSLA]が5%近く下げ、アマゾン・ドット・コム[AMZN]とフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]も2%を超える下落となりました。ネットフリックス[NFLX]も2%を上回る下げとなりましたが、取引終了後に発表した決算で売上高と有料契約者数の伸びが市場予想を上回ったことから時間外取引では大幅高となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.08%高い4.91%となりました。ドル円は149円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の32,000円を割り込み下げ幅を広げそうで、朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)