東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に続伸となりました。6円安の32,033円で寄り付いた日経平均は下げ幅を広げ10時前に173円安の31,866円まで下落しましたが、やや持ち直すと66円安の31,974円で前場を終えました。112円安の31,928円でスタートした後場の日経平均は直後に166円安の31,873円を付けた後下げ幅を縮めプラスに転じると14時50分前に61円高の32,101円まで上昇しました。しかし、引けにかけて上げ幅を縮めると結局1円高の32,042円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
長期金利が一時0.815%まで上昇し2013年8月以来、10年2ヶ月ぶりの高水準を付けたことからメガバンクが堅調でした。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が一時2.1%高、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が一時2.5%高、みずほフィナンシャルグループ(8411)も一時2.6%高となりました。生保株も高く第一生命ホールディングス(8750)が一時2.0%高、T&Dホールディングス(8795)も一時3.1%高となっています。京成電鉄(9009)も一時8.5%高となりました。京成電鉄の株式の1.6%を所有する英投資ファンドのパリサー・キャピタルが保有するオリエンタルランド(4661)株の一部売却を求めていると伝わったことを材料視した買いが入りました。玩具やゲーム卸大手のハピネット(7552)も一時10.7%高となりました。「ポケモンカードゲーム」などのトレーディングカードが好調に推移したことに加え、ビデオゲーム事業でヒット商品があったことなどから31億円とみていた上期の営業利益の見通しを47億円に上方修正したことから買いを集めました。半導体設計のソシオネクスト(6526)も一時15.5%高となりました。2ナノメートルの半導体開発で英アーム[ARM]と台湾のTSMC[TSM]と協業すると発表したことを好感した買いが入りました。また、時間外取引で米原油先物価格が上昇したことから石油関連銘柄が高く、INPEX(1605)が一時4.7%高、石油資源開発(1662)が一時3.8%高、ENEOSホールディングス(5020)が一時2.1%高、コスモエネルギーホールディングス(5021)も一時2.8%高となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は1円高となりました。日米の長期金利の上昇などを受けて一時は節目の32,000円を割り込み170円以上下げる場面もありましたが、32,000円を下回ったところで押し目買いが入り下げ渋ると後場に入って買いが優勢となりました。しかし、小幅な上昇に止まり上値が重かっただけに明日以降も32,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の21時30分に9月の米住宅着工件数が発表されるほか、19日午前3時には米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表される予定です。また、18日の米国ではネットフリックス[NFLX]やテスラ[TSLA]、モルガン・スタンレー[MS]、ラム・リサーチ[LRCX]、プロクター・アンド・ギャンブル[PG]などが決算発表を予定しています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)