現地時間7日、パレスチナ暫定自治区のガザ地区を実効支配するイスラム武装組織ハマスがイスラエルを奇襲攻撃。これを受けて、イスラエル側が報復に動いたと報道されています。中東産油国や原油供給などへの影響も考慮していく必要があるでしょう。

暗号資産市場への影響について解説してまいります。

BTC(ビットコイン)、初動は反落で反応

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY 日足チャート分析から入ります。下降トレンドラインを抜けて、本稿執筆時点(10月10日午前)では反落しています。下降トレンドラインとSMA30、SMA 90、SMA 200がいずれも400万円付近に存在し、この水準までの押し目は鉄板のサポートラインとなりそうです。仮にこの水準まで押し下げる場合は買い場となりやすいでしょう。

今週前半のテクニカル的な買いポイントは396-404万円ゾーンと予想します。上値の目処は、先週に引き続き427-429万円のレジスタンスライン付近。今一度上昇する場合は、この手前が利食いポイントになるのではないでしょうか。

さらにもう一つ、隠れたレジスタンスラインが存在しています。

【図表2】BTC/USD 日足チャート
出所:TradingView

BTC/USD日足チャートです。現状の28,000USD付近にSMA90とSMA200が存在しており、これらが上値抵抗帯として機能している状況です。よって、BTC/USDがこの水準を上抜けると上昇トレンドが強く発生しそうです。

この1ヶ月、米ドル/円レートが大きく上昇したことを受けてBTC/JPYと共に上昇しているように見えますが、ドル建てでは横ばいの推移が続いています。今週はこのSMA2本をしっかりと上抜けるところがポイントです。28,400ドル台のレジサポラインを超えていけると、大きな上昇に進展するでしょう。

ETH(イーサリアム)、買いトレードはしばらく見送りか

【図表3】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

続いてETH/JPY 日足チャート分析です。BTCと比較してリスクオフ資産性が低いため、やはり下落しています。ETHをはじめ、アルトコインの買いトレードは控えた方が良いと考えています。1つの買い場として三角保合下限ラインが目安になるものの、MACDがデッドクロスしたことも下落トレンド開始の合図となるかもしれません。現状は、売り目線を強め、新規の買いエントリーは控える予定です。

イスラエル・パレスチナ紛争の行方次第なところもありますが、今回の件でEUはこれ以上の利上げができなくなったのではないでしょうか。各中央銀行はひとまず静観姿勢を強めることになるでしょう。紛争の動向によってはリスクオフ相場となる可能性もあります。報道に注意しつつ、BTCは押し目買い、ETHは様子見とし、下限ラインまで近づいてきた場合にもエントリーは見送りたいと考えています。