東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に反落となりました。71円安の31,003円で寄り付いた日経平均は9時30分過ぎに147円安の30,928円を付けた後10時10分に85円高の31,160円を付けるなど一進一退の展開になると76円安の30,998円で前場を終えました。86円安の30,988円でスタートした後場の日経平均は12時40分に104円安の30,970円まで下落した後持ち直すと昨日の終値を挟んで小幅にもみ合う展開となり結局80円安の30,994円で取引を終えています。一方でTOPIXが小幅に上げたほか、新興株も堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

第3四半期決算を発表したキユーピー(2809)が一時6.0%高となり年初来高値を更新しました。価格改定の浸透や海外セグメントの業績が堅調に推移していることに加え、鳥インフルエンザによる影響が当初想定を下回る見込みとなったことなどにより140億円とみていた2023年11月期の営業利益の見通しを180億円に上方修正したことから買いが優勢となりました。上期決算を発表したドラッグストアの薬王堂ホールディングス(7679)も一時8.3%高となり年初来高値を更新しました。改装店舗の売り上げが伸び既存店売上高が好調に推移すると見込まれることや、電気代などの削減効果もあり47億円とみていた2024年2月期の営業利益の見通しを54億円に引き上げたことから大幅高となりました。取引時間中の11時に上期決算を発表した三陽商会(8011)も21.5%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。人流回復やインバウンド需要の拡大により主力の百貨店を始めとする実店舗への集客が順調に回復していることなどにより27億円とみていた2024年2月期の営業利益の見通しを31億円に上方修正したことから決算発表直後に大きく上げ幅を広げました。メガネ専門店「JINS」を運営するジンズホールディングス(3046)も一時9.1%高となりました。可視光調光レンズやオプションレンズの装着率が上昇したことなどから9月の既存店売上高が前年同月比で9.4%増となったことで買いを集めました。また、目標株価の引き上げを受けて日本郵船(9101)や川崎汽船(9107)が高く、日本郵船が一時2.8%高、川崎汽船も一時4.4%高となりました。一方で上期決算を発表したオンワードホールディングス(8016)が一時9.6%安となりました。主力ブランドなどが好調で2024年2月期の業績予想を上方修正しましたが、第2四半期3ヶ月間の営業損益が3億円を超す赤字に転落したことで売りが膨らみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は80円安となりました。昨日の米国市場が小幅に下落となったことから反落となりました。プラスとなる場面もありましたが、9月の米雇用統計の発表を控えていることから様子見ムードが強く伸び悩むと昨日の終値を挟んでもみ合う展開となり小幅に下げて取引を終えています。その米雇用統計は日本時間の21時30分に発表となります。米連邦制度準備理事会(FRB)の今後の金融政策を占ううえで関心の高い経済指標だけにマーケットの反応が注目されます。なお、2月決算企業の上期決算発表が続いていますが本日も引け後には安川電機(6506)やヨンドシーホールディングス(8008)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)