東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて6日ぶりに反発しました。206円高の30,733円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分余りで38円高の30,565円まで上げ幅を縮めました。しかし、節目の30,500円を前に切り返すと上げ幅を広げ後場に入り13時40分過ぎには557円高の31,083円まで上昇しました。その後伸び悩むと節目の31,000円を割り込む場面もありましたが、引き続き31,000円近辺で推移すると結局548円高の31,075円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

昨日に下げの目立った自動車株に買い戻しの動きがみられました。トヨタ(7203)が4.5%高となったほか、日産(7201)が一時3.5%高、ホンダ(7267)が一時3.4%高、マツダ(7261)とSUBARU(7270)も一時3.6%高となりました。Gunosy(6047)も17.4%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。持ち分法適用関連会社であるインドの金融サービス会社が同国のノースイースト・スモール・ファイナンス銀行との合併承認を獲得したと発表したことを材料視した買いが入りました。また、目標株価の引き上げを受けて三越伊勢丹ホールディングス(3099)やコンコルディア・フィナンシャルグループ(7186)が高く、三越伊勢丹ホールディングスが一時3.5%高、コンコルディア・フィナンシャルグループも一時4.9%高となりました。さらに原油先物価格の下落を受けて日本航空(9201)やANAホールディングス(9202)が買われました。日本航空が一時3.7%高、ANAホールディングスも一時3.9%高となりました。

一方で原油先物価格の下落を受けてINPEX(1605)や石油資源開発(1662)が安く、INPEXが一時4.2%安、石油資源開発も一時3.6%安となりました。太陽誘電(6976)も一時7.3%安となり年初来安値を更新しました。ユーロ円建ての新株予約権付社債(転換社債)を発行し約500億円を調達すると発表したことで将来的な1株利益の希薄化や株式需給の悪化を懸念する売りが出ました。切削工具や工作機械を手掛ける不二越(6474)も一時3.9%安となりました。中国の景気減速を背景にロボットや建設機械向けの油圧機器が伸び悩んだうえ、原材料やエネルギー価格の高騰などもあり第3四半期の営業利益が前年同期比で21%減となったことから売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は548円高となりました。米長期金利の上昇一服を受けて昨日の米国市場が反発したことから買いが優勢となりました。朝方には昨日の終値近辺まで上げ幅を縮める場面もありました。しかし、マイナスになることなく踏み止まると昨日までの5日間で1,800円以上下げていたこともあり上げ幅を大きく広げ節目の31,000円を回復しました。そのため警戒ムードもやや後退しそうですが、明日は夜に米雇用統計の発表を控え様子見になりやすいなかでさらに戻りを試せるかがポイントとなりそうです。なお、小売り企業を中心とした2月決算銘柄の上期決算発表が続いていますが本日も引け後にはオンワードホールディングス(8016)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数や8月の米貿易収支が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)