【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,507.50  ▼158.84 (9/29)
NASDAQ: 13,219.32  △18.05 (9/29)

1.概況

先週末の米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は米政府機関の一部閉鎖のリスクが意識され下落となりましたが、ナスダック総合株価指数はハイテク株の一角が買われたことで上昇となりました。ダウ平均は米PCEコア物価指数の伸びが前月から鈍化したことを受けて216ドル高でスタートすると直後に227ドル高まで上昇しました。しかし、朝方の買い一巡後に伸び悩むと昼前に下落に転じ午後に入り258ドル安まで下落しました。その後は下げ渋りましたが、引き続き軟調に推移すると結局158ドル安の33,507ドルで取引を終え反落となっています。また、S&P500株価指数も11ポイント安の4,288ポイントとなり3日ぶりに反落となりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は18ポイント高の13,219ポイントと3日続伸となっています。

2.経済指標等

9月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は44.1と前月から低下し市場予想も下回りました。一方でミシガン大学消費者信頼感指数確報値は68.1と速報値から上方修正され市場予想も上回りました。8月の米個人消費支出(PCE)も前月比0.4%増となりました。また、8月の米個人消費支出(PCE)物価指数で変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は前年同月比3.9%上昇と前月から伸びが鈍化し市場予想と一致しました。8月の米個人所得も前月比0.4%増となり市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや金融、ヘルスケアなどの7業種が下げ、エネルギーは2%近く下落しました。一方で一般消費財・サービスや情報技術などの4業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では決算で1株利益が市場予想を上回ったナイキ(NKE)が6%を超える上昇となったほか、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)も6%以上上げました。また、ダウ(DOW)とウォルト・ディズニー(DIS)、インテル(INTC)も1%以上上昇しています。一方でトラベラーズ(TRV)が2%を超える下落となり、JPモルガン・チェース(JPM)とウォルマート(WMT)、メルク(MRK)、ハネウェル・インターナショナル(HON)、キャタピラー(CAT)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)、シェブロン(CVX)が1%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外では半導体大手のマイクロン・テクノロジー(MU)が4%を超える上昇となりました。日本の経済産業省がマイクロン・テクノロジーの広島工場の設備投資に最大1920億円を補助することが伝わったことを好感した買いが入りました。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は変わらずの4.57%となりました。ドル円は149円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

9月30日に米連邦議会の上下両院でつなぎ予算案が可決され米政府機関の一部閉鎖がひとまず回避されたことから本日の日本市場は堅調なスタートが予想されます。こうしたなか本日は寄り付き前の8時50分に9月の日銀短観が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)