東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日続落となりました。381円安の32,189円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分余りで416円安の32,154円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に徐々に下げ幅を縮めると283円安の32,287円で前場を終えました。昼休み時間中に発表となった日銀の金融政策決定会合の結果を受けてさらに下げ幅を縮め122円安の32,448円でスタートした後場の日経平均は12時40分前に35円安の32,535円まで持ち直しました。しかし、戻し切れないと下げ幅を広げ結局168円安の32,402円で取引を終えています。一方で新興株は高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

日本テレビホールディングス(9404)が一時21.8%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。子会社の日本テレビ放送網がアニメ映画制作のスタジオジブリを子会社化すると発表したことを材料視した買いが入りました。SANKYO(6417)も15.2%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。大幅な増収増益となる上期の業績予想に加えて、自社株買いの実施を発表したことで買いを集めました。また、東証スタンダード市場ではシステム開発のフライトホールディングス(3753)が一時6.6%高となりました。サービス事業において下半期に計画していた売上が上半期に前倒しで計上される見込みになったことや、新サービス立ち上げに係る開発費が当初計画を下回る見込みとなったことで1億9000万円の赤字とみていた上期の営業損益を4000万円の黒字に上方修正したことから大幅高となりました。さらに東証グロース市場ではデータ分析などの人工知能(AI)サービスを手掛けるセカンドサイトアナリティカ(5028)が一時27.2%上昇しストップ高となりました。1株を3株にする株式分割と自社株買いを発表したことを好感した買いが入りました。一方でヤフーを傘下に置くZホールディングス(4689)が一時5.5%安となりました。公正取引委員会がニュースポータルサイト「ヤフーニュース」を運営するヤフーが独占禁止法上、優越的地位にある可能性を指摘し、報道機関に支払う記事利用料が著しく低く設定されれば同法に違反する恐れがあると発表したことから報道機関へ支払われる記事利用料が今後引き上げられることを警戒した売りが出ました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は168円安となりました。金融引き締めの長期化を懸念する売りが続き昨日の米国市場が下落となったことから続落となりました。一時は400円以上下げる場面もありましたが、一目均衡表の雲の下限(32,180円)を小幅に下回ったところで下げ渋ると、日銀が金融政策決定会合で現状の大規模緩和の維持を決めたことから持ち直し一時は昨日の終値近辺まで戻す場面もありました。しかし、25日移動平均線(32,542円)を明確に割り込んだことで警戒ムードがやや高まりそうです。なお、日本時間の22時45分には9月の米PMI速報値が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)