東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて続落となりました。18円高の33,261円で寄り付いた日経平均は直ぐにマイナスになるとしばらく軟調に推移しましたが、下げ渋ると持ち直し10時40分過ぎプラスに転じました。しかし、24円高の33,267円で伸び悩むと再びマイナスとなり120円安の33,122円で前場を終えました。146円安の33,096円でスタートした後場の日経平均は引けにかけてさらに下げ幅を広げると引け間際に253円安の32,988円まで下落し結局218円安の33,023円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

ホットランド(3196)が一時7.9%高となり年初来高値を更新しました。新型コロナウイルス禍からの人流回復が鮮明で、主力の築地銀だこ業態を中心に既存店売上高が伸びていることなどから15億円とみていた2023年12月期の営業利益の見通しを23億5000万円に上方修正し、一転して増益予想となったことで買いを集めました。ペプチドドリーム(4587)も一時4.8%高となりました。スイス製薬大手ロシュ傘下の米ジェネンテックと放射性医薬品の共同開発で契約し、契約一時金として4000万ドル(約59億円)を受領すると発表したことで大幅高となりました。研究施設向けの精密装置を手掛けるジェイテックコーポレーション(3446)も一時6.7%高となりました。スイス先端大型放射光施設から大型受注があったと発表したことを好感した買いが入りました。また、目標株価の引き上げを受けて商船三井(9104)や横浜家系ラーメンを展開するギフトホールディングス(9279)が高く、商船三井が一時3.1%高となり年初来高値を更新したほか、ギフトホールディングスも一時6.7%高となりました。一方で石油関連銘柄に下げるものが目立ちました。昨日の原油先物価格は上昇しましたが、直近で高値を付けていたこともあり利益確定の売りが出ました。INPEX(1605)が一時4.4%安、石油資源開発(1662)が3.2%安、出光興産(5019)が3.6%安、ENEOSホールディングス(5020)が一時3.5%安、コスモエネルギーホールディングス(5021)も一時3.9%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は218円安となりました。原油高によるインフレ再加速が意識され昨日の米国市場が反落となったことから続落となりました。小幅に上げて始まりましたが伸び悩むと直ぐに売りが優勢となりました。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えていることから持ち高調整の売りが出て下げ幅を広げ、引け間際には節目の33,000円を小幅に割り込む場面もありました。そのFOMCの結果は日本時間の21日午前3時に発表となります。利上げは見送られるとみられていることから2023年末や2024年末の政策金利の見通しや、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見に注目が集まりそうでマーケットの反応が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)