東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日ぶりに反落となりました。236円安の33,296円で寄り付いた日経平均は9時50分過ぎに195円安の33,337円を付けた後下げ幅を広げると前引け間際に404円安の33,128円まで下落しました。その後、後場に入ると下げ渋りました。しかし、上値は重く引き続き軟調に推移すると結局290円安の33,242円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

147円台の円安が続いていることや、全米自動車労組によるストライキで労使交渉が難航していることが米国市場で日本の自動車メーカーにとって販売拡大の好機になるとの思惑もあって自動社株が堅調でした。トヨタ(7203)が一時2.3%高、日産(7201)が一時5.0%高、ホンダ(7267)が一時3.3%高、マツダ(7261)が一時5.4%高、SUBARU(7270)も一時1.8%高となり、トヨタとホンダが上場来高値を更新したほか、日産とマツダ、SUBARUも年初来高値を更新しています。原油先物価格の上昇を受けて石油関連株も堅調でした。なかでも石油資源開発(1662)が一時4.0%高、INPEX(1605)も2.3%高となり揃って年初来高値を更新しています。

一方で半導体受託製造最大手の台湾のTSMCが複数の取引先に高性能半導体製造装置の出荷を遅らせるよう要請したと伝わり先週末の米国市場で半導体関連株が売られた流れを受けて日本市場でも半導体関連銘柄の下げが目立ちました。東京エレクトロン(8035)が一時5.5%安、レーザーテック(6920)が一時5.6%安、SCREENホールディングス(7735)が一時4.6%安、アドバンテスト(6857)が一時5.3%安、ディスコ(6146)も一時5.7%安となりました。ソフトバンクグループ(9984)も一時4.3%安となりました。昨日の米国市場で傘下の英半導体設計大手アーム・ホールディングス[ARM]が売りの投資判断や公開価格を約1割下回る目標株価の設定を受けて4%を超す下落となったことから大幅安となりました。中古車買い取りチェーン「ガリバー」を運営するIDOM(7599)も一時4.2%安となりました。ビッグモーターが経営再建策として保有するIDOMの株式などの売却を検討していることがわかったと伝わったことで需給悪化を懸念した売りが出ました。アスクル(2678)も一時5.9%安となりました。人件費や償却費の増加が重荷となり第1四半期の営業利益が前年同期比で4.4%減となったことから売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は290円安となりました。米国市場でダウ平均が昨日と先週末の2日間トータルで280ドルを超える下落となり、ナスダック総合株価指数も2日間で215ポイントの下げとなったことから売りが優勢となり一時は400円以上下げる場面もありました。しかし、トヨタやホンダ、コマツ(6301)、住友商事(8053)、日本郵船(9101)などが上場来高値を付けるなど大型株や割安株への買いが続きTOPIXが年初来高値を更新したことや、日経平均も5日移動平均線(33,085円)を前に下げ渋ったことから地合いは大きく崩れていないといえそうです。なお、日本時間の21時30分には8月の米住宅着工件数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)