東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に反落となりました。34円安の32,742円で寄り付いた日経平均は下げ渋るとまもなくしてプラスに転じ9時50分に96円高の32,872円まで上昇しました。しかし、伸び悩むと再びマイナスとなり12時50分前には159円安の32,616円まで下落しました。その後下げ渋ると小幅にプラスとなる場面もありましたが、上値は重く結局69円安の32,706円で取引を終えています。こうしたなか新興株も軟調で東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
石油輸出国機構(OPEC)が今年の世界石油需要が過去最大になるとの見通しを維持したことを受けて原油先物価格が上昇したことから石油関連株が買われました。INPEX(1605)が一時3.4%高、石油資源開発(1662)が一時5.0%高、出光興産(5019)も一時4.3%高となり揃って年初来高値を更新しました。また、マイナス金利の解除などの日銀の政策変更を期待した買いが続き3メガバンクが年初来高値を更新しました。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が一時4.1%高となったほか、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が一時1.5%高、みずほフィナンシャルグループ(8411)も一時2.0%高となりました。神戸物産(3038)も一時4.7%高となりました。主力の業務スーパー事業が好調で第3四半期の営業利益が前年同期比で6.6%増となったことで大幅高となりました。一方で上期決算を発表した三井ハイテック(6966)が16.3%下落しストップ安となりました。スマホやパソコンの世界販売の低迷を受けてリードフレームなどの電子部品事業が想定より落ち込むことなどにより226億円とみていた通期の営業利益の見通しを160億円に下方修正したことから売りが膨らみました。本決算を発表したネット印刷を手掛けるラクスル(4384)も一時10.9%安となりました。国内の経済活動の正常化により印刷などの需要が増えていることなどから2024年7月期の営業利益が前期比で増益となる見通しを示しましたが、市場予想に届かなかったことで売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は69円安となりました。原油高を受けてインフレ懸念が強まるなかハイテク株に売りが出て昨日の米国市場が下落となったことから反落となりました。一時100円近く上げるなど買いが優勢となる場面もありました。しかし、8月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることもあって積極的な買いは限定的で伸び悩むと下げ幅を三桁に広げる場面もありました。その米CPIは日本時間の21時30分に発表となります。来週に米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を控えていることもあり結果が注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)