【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,500.73  △57.54 (9/7)
NASDAQ: 13,748.83  ▼123.64 (9/7)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均はディフェンシブ銘柄を中心に買いが入り上昇となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はハイテク株が売られたことで下落となりました。92ドル安でスタートしたダウ平均は持ち直すと前日終値を挟んで一進一退の展開となりました。しかし、まもなくして買いが優勢になると昼過ぎには117ドル高まで上昇しました。その後は伸び悩みましたが、引き続き堅調に推移すると結局57ドル高の34,500ドルで取引を終え3日ぶりに反発しています。一方でS&P500株価指数が14ポイント安の4,451ポイントと3日続落となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も123ポイント安の13,748ポイントと4日続落となっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万3000件減の21万6000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。また、4-6月期の米労働生産性指数改定値も年率換算で前期比3.5%上昇し市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や不動産、一般消費財・サービスなどの6業種が上げ、公益事業は1%以上上昇しました。一方で情報技術や素材、資本財・サービスなどの5業種が下げ、情報技術は1%を超える下落となっています。

4.個別銘柄動向

中国政府がiPhoneの使用禁止措置を拡大し、政府系機関や国有企業に対しても使用を禁じることを計画していると伝わったことでアップル[AAPL]が3%近く下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。アップルの下落が他のハイテク株にも波及し、なかでも半導体関連株の下げが目立ちました。半導体株ではクアルコム[QCOM]が7%以上下げたほか、ウエスタン・デジタル[WDC]も4%を超える下落となりました。アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]も2%以上下げています。半導体製造装置株も安く、アプライド・マテリアルズ[AMAT]とKLA[KLAC]が3%を超える下落となり、ラム・リサーチ[LRCX]も3%近く下げています。一方でインテル[INTC]はデータセンター向け半導体やファウンドリー(受託生産)事業の先行きなどに前向きな認識を投資家向け説明会で示したことから3%以上上げ、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%低い4.24%となりました。ドル円は147円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でのハイテク株安の流れを受けて軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。また、本日は3ヶ月に一度のメジャーSQで寄り付きの動向が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)