東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は7日続伸となりました。2円高の32,941円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分弱で63円高の33,002円まで上昇しましたが、節目の33,000円をわずかに上回ったところで上値が押さえられるとマイナスに転じ10時10分前には154円安の32,784円まで下落しました。しかし、下げ渋ると徐々に下げ幅を縮め後場に入り13時50分過ぎにプラスに転じ引けにかけて上げ幅を広げました。結局、日経平均は97円高の33,036円で取引を終え高値引けとなりました。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
ニトリホールディングス(9843)が一時7.3%高となりました。日経平均構成銘柄の定期見直しでニトリホールディングスとメルカリ(4385)、レーザーテック(6920)を新たに採用すると日本経済新聞社が発表したことで大幅高となりました。メルカリとレーザーテックも大幅高となる場面がありましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと下落して取引を終えています。沖電気工業(6703)も16.5%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。電気自動車(EV)向けなどに需要の拡大が続くとみられている窒化ガリウム(GaN)を使ったパワー半導体の素材を低コストでつくる技術を信越化学工業(4063)と開発したと伝わったことで買いを集めました。リョーサン(8140)も一時3.3%高となりました。中国の電気自動車(EV)開発大手と合弁会社を設立することで合意したと発表したことを材料視した買いが入りました。
一方でJFEホールディングス(5411)が一時9.0%安となりました。大規模な脱炭素関連の投資に充てるため公募増資と新株予約権付社債(転換社債)を組み合わせて2000億円規模の資金を調達する方針を固めたと伝わったことで株主価値の希薄化や株式需給の悪化を懸念した売りが膨らみました。ユナイテッドアローズ(7606)も一時4.3%安となりました。夏物商品の販売に加えて秋物の動き出しが良好だったことなどで8月の既存店売上高は前年同月比で3.7%増となりましたが、7月の13%増から伸びが鈍化したことで大幅安となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は97円高となりました。米国市場が休場で材料に乏しいなか昨日までの流れを引き継ぎ小幅に上昇して始まると取引開始早々に節目の33,000円を付ける場面もありましたが、33,000円をわずかに上回ったところで伸び悩むと昨日までの6日間で1,300円以上上げていたこともあり利益確定の売りが出て下落に転じ下げ幅を一時は三桁に広げました。しかし、一目均衡表の雲の上限(32,748円)を前に下げ渋ると持ち直し、後場に入りプラスに転じ33,000円を小幅に上回って取引を終えました。そのため地合いは引き続き強いといえそうで、7月3日に付けた高値(33,753円)回復への期待も高まりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)