ジャクソンホール後、米国株は上昇に転じる

先週の米国株市場は上昇、2週連続の上げとなりました。S&P500は2.5%、ナスダック100については3.67%上昇しました。これは両指数とも6月16日の週以来の上げ幅となっています。

S&P500は、2022年1月の史上最高値からあと6%のレベルまで戻ってきました。

米国株に投資をする私たち日本人の投資家は円を売ってドルを買っている訳ですが、先週9月1日(金)には、円建てのS&P500は株高とドル高が重なり史上最高値を更新しました。

先週のマーケットは堅調であったものの、先月(8月)の1ヶ月で見るとS&P500は1.77%下落、ナスダック100についても1.62%の下げで終わりました。先月S&P500は一時4.66%下落、またナスダック100も6.66%下落する局面もありましたが、懸念されていたジャクソンホールではネガティブなサプライズがなかったこともあり、その後2週間でマーケットは上昇に転じました。

先週の米国株、市場全体がリスクオンの展開

マーケットのスタイル別のパフォーマンスを確認してみますと、先週S&P500の2.5%の上げに対し、S&P500グロース(成長)指数は2.85%の上げ、その一方でS&P500バリュー(割安)指数は2.08%の上げとなっており、相対的にグロース株が買われていることがわかります。また小型株の指数であるラッセル2000は先週3.63%上げており、市場全体がリスクオンの展開になっていることが確認されます。

米国内の消費活性化、経済指標に市場はポジティブな反応

このような動きは先週発表された経済指標が影響を与えたと考えられます。具体的には、雇用統計のデータを見ると総労働時間は増加しており、より多くの米国の労働者が労働に参加していることが確認されています。

また、週初めに発表された他の経済データ、例えば7月の消費者支出については予想の0.7%増に対し、0.8%増加したことも、米国の消費活動が活発になっていることを示唆し、市場にポジティブな影響を与えたと考えられます。

8月の非農業部門の雇用数についても事前予想の17万人に対し、18.7万人と予想を上回る結果となった一方で、既に発表されている6月と7月の雇用者数は下方修正されています。平均時給については前月比0.2%増加で、予想の0.3%の増加を下回り、前月の0.4%も下回った結果となっています。これは賃金インフレトレンドの低下を示唆するものでしょう。

このような中、9月20日に予定されているFOMCについてCMEのFED ウォッチツールによると、利上げが行われる確率は6%で、据え置かれる確率は94%となっています。マーケットは、今回金利がこれ以上上がらないだろうという状況を好感したようです。

コロナ禍の学費ローン猶予終了で、米国消費への逆風の可能性も

このような中、10月から米国消費が逆風に直面する可能性があります。コロナ禍で、米国政府から借りた大学のローンの支払いが一時的に猶予されていたのですが、10月1日から実際に返済が始まることになっています。これによりおよそ4,400万人のアメリカ人が影響を受けると言われており、このローンの返済が再開されることで、消費可能な収入が減り、消費に悪影響を及ぼすかもしれません。これだけでマーケットが下がると言うことではないとは思いますが、リスク要因の1つとして頭の中に置いておく必要がありそうです。