東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて3日続落となりました。304円安の31,321円で寄り付いた日経平均は直後に350円安の31,275円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に下げ渋ると持ち直し11時過ぎにプラスに転じました。しかし、18円高の31,644円で伸び悩むと再びマイナスとなり後場に入って下げ幅を広げ14時20分過ぎには304円安の31,321円まで下落しました。その後は下げ渋りましたが、引き続き軟調に推移すると結局175円安の31,450円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

後発薬について厚生労働省が金額ベースの普及目標を新設すると伝わったことから後発薬を手掛けるサワイグループホールディングス(4887)や東和薬品(4553)が買われました。サワイグループホールディングスが一時5.5%高、東和薬品も一時6.9%高となり、揃って年初来高値を更新しています。インキメーカーのT&K TOKA(4636)も28.3%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。米投資ファンドのベインキャピタルの子会社がT&K TOKAへの株式公開買い付け(TOB)を1株あたり1,400円で開始すると発表したことから買いを集めました。居酒屋を運営するDDグループ(3073)も一時5.6%高となりました。7月の既存店売上高が前年同月比29.4%増となり、6月の16.2%増から伸びが加速したことで大幅高となりました。また、投資判断と目標株価の引き上げを受けてクラレ(3405)や三菱重工業(7011)が高く、クラレが一時4.0%高となり年初来高値を更新したほか、三菱重工業も一時2.7%高となっています。一方で中国不動産大手の中国恒大集団がニューヨークで破産を申請したと伝わり、中国景気の先行き不透明感が強まったことからインバウンド関連銘柄として百貨店株が売られました。三越伊勢丹ホールディングス(3099)が一時4.5%安、高島屋(8233)が一時3.7%安、J.フロント リテイリング(3086)が一時4.7%安、エイチ・ツー・オー リテイリング(8242)が一時5.4%安、松屋(8237)も一時3.5%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は175円安となりました。消費関連株やハイテク株に売りが出て昨日の米国市場が下落となったことや、経営再建中の中国不動産大手の中国恒大集団がニューヨークで破産を申請したと伝わったこともあり続落となり、寄り付き直後には350円安まで下落しました。しかし、朝方の売り一巡後に下げ渋ると前場には小幅にプラスとなる場面もみられました。そのため押し目買い意欲は引き続き健在だといえそうですが、後場に入って再び下げ幅を広げたことから上値の重さが意識されそうで、警戒ムードが一段と強まることになりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)