東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて続落となりました。144円安の31,621円で寄り付いた日経平均は10時40分前に457円安の31,309円まで下落しましたが、売り一巡後に下げ渋ると後場に入り13時10分前には62円安の31,704円まで持ち直しました。しかし、戻し切れないとその後再び下げ幅を広げ結局140円安の31,626円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
ディスカウント店の「ドン・キホーテ」などを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)が一時6.1%高となり上場来高値を更新しました。プライベートブランド(PB)商品や日用雑貨品が伸びたうえ、免税品売り上げも回復したことなどから2023年6月期の営業利益が前期比で18.7%増となり34年連続で最高益を更新したことや、2024年6月期の営業利益も前期比で5.5%増となり引き続き最高益を更新する見通しを示したことで買いが優勢となりました。アミューズメント施設を運営するイオンファンタジー(4343)も一時9.0%高となりました。クレーンゲームなどが好調で7月の国内既存店売上高が前年同月比で11.5%増となり6月の3.8%増から伸びが加速したことで買いを集めました。無線通信機器大手のアイコム(6820)も一時10.4%高となり年初来高値を更新しました。経済活動の正常化に伴い海外市場の需要が強いことなどで通期の業績予想を上方修正したことから大幅高となりました。
一方で中国の景気減速を懸念した売りで鉄鋼株が安く、日本製鉄(5401)が一時3.2%安、JFEホールディングス(5411)が一時3.4%安、神戸製鋼所(5406)も一時4.2%安となりました。さらに関西ペイント(4613)が投資判断の引き下げを受けて一時4.2%安となったほか、東邦チタニウム(5727)も目標株価の引き下げを受けて一時2.5%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は140円安となりました。連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が追加利上げの可能性があることを示す内容だったことで金融引き締めの長期化を警戒した売りが出て昨日の米国市場が下落となったことから続落となりました。また、中国景気への懸念から香港ハンセン指数が一時大きく下げていたこともあり節目の31,500円を割り込み450円以上下落する場面もありました。しかし、香港ハンセン指数が持ち直したこともあって売り一巡後に下げ幅を縮めると後場には31,700円台まで戻す場面もありました。そのため押し目買い意欲は健在だといえそうですが、7月12日の安値(31,791円)を割り込んだ翌日に続落となったことで警戒ムードが一段と強まりそうです。なお、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数や8月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数が発表されるほか、23時には7月の米景気先行指標総合指数が発表される予定です。また、17日の米国ではウォルマート[WMT]やアプライド・マテリアルズ[AMAT]などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)