【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 35,065.62 ▼150.27 (8/4)
NASDAQ: 13,909.24 ▼50.48 (8/4)
1.概況
先週末の米国市場は米雇用統計で平均時給の伸びが市場予想を上回ったことで連邦準備理事会(FRB)による利上げ継続を警戒した売りが出て続落となりました。14ドル高でスタートしたダウ平均は昼過ぎに290ドル高まで上昇しましたが、その後伸び悩むとマイナスに転じ引けにかけて下げ幅を広げました。引け間際に182ドル安まで下落したダウ平均は結局150ドル安の35,065ドルで取引を終え3日続落となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も50ポイント安の13,909ポイントと4日続落となっています。
2.経済指標等
7月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比18万7000人増となり市場予想を下回りました。また、失業率は3.5%と前月の3.6%から低下し改善しました。さらに平均時給は前年同月比4.4%上昇し市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、情報技術と公益事業、生活必需品が1%以上下落しています。一方で一般消費財・サービスとエネルギーの2業種が上げ、一般消費財・サービスは2%近く上昇しました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では、決算で主力のiPhoneの売り上げが予想以上に落ち込んだアップル[AAPL]が5%近く下げ下落率トップとなりました。また、キャタピラー[CAT]とスリーエム[MMM]、コカ・コーラ[KO]、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]、マクドナルド[MCD]、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]、プロクター・アンド・ギャンブル[PG]、ホーム・デポ[HD]も1%以上下げています。一方で市場予想を上回る決算を発表したアムジェン[AMGN]が5%以上上げ上昇率トップとなったほか、ウォルト・ディズニー[DIS]も1%近く上げています。ダウ平均構成銘柄以外では決算で売上高が市場予想を上回ったアマゾン・ドット・コム[AMZN]が8%を超える上昇となりました。物言う株主として知られる投資家のカール・アイカーン氏が率いる投資会社アイカーン・エンタープライゼズ(IEP)は配当金を半減すると発表したことで23%以上下げています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.14%低い4.03%となりました。こうしたなかドル円は円高に振れ141円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の32,000円を割り込んだところで押し目を拾うような動きがみられるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)