東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日ぶりに小幅に反発しました。140円安の32,019円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分弱で224円安の31,934円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に持ち直すと9時40分過ぎにプラスに転じ10時前に135円高の32,294円まで上昇しました。しかし、その後伸び悩むと昨日の終値を挟んで小幅にもみ合う展開となり結局33円高の32,192円で取引を終えています。こうしたなか新興株も堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
昨日の引け後に決算を発表したZホールディングス(4689)やコナミグループ(9766)が買われました。LINEやヤフーを傘下に持つZホールディングスは人件費や販促費の削減が寄与し第1四半期の営業利益が前年同期比で19.5%増となったことから一時12.2%高となりました。コナミグループもスマホ向けゲームや海外で展開するスロットマシンの販売が好調で第1四半期の事業利益が前年同期比で21.7%増となったことから一時5.0%高となり年初来高値を更新しました。本日の取引時間中に決算を発表した丸紅(8002)や三菱重工業(7011)も大幅高となりました。11時に決算を発表した丸紅は金属事業が商品価格の下落で低迷したことなどで第1四半期の純利益は前年同期比で29.9%減となりましたが、市場予想を上回ったことから決算発表直後に上げ幅を広げ一時3.8%高となりました。13時30分に決算を発表した三菱重工業も発電用タービンや航空エンジン、製鉄機械などが好調で第1四半期の事業利益が前年同期比で3.5倍となったことから8.2%高となり年初来高値を更新しています。
上期決算を発表した花王(4452)やDMG森精機(6141)も買われました。花王は通期の営業利益の見通しを1200億円から600億円に下方修正し一転して減益予想となりましたが、下方修正の要因が構造改革費用の計上によるものだったことから将来の収益の改善を期待した買いが入り一時5.9%高となり年初来高値を更新しました。また、DMG森精機はグローバルで受注が好調に推移していることなどにより通期の営業利益の見通しを500億円から525億円に上方修正したことで一時9.4%高となっています。一方で古河電気工業(5801)が一時10.4%安となりました。光ファイバーなど情報通信関連製品の出荷が米州での顧客の在庫調整などで低迷したことなどで第1四半期の営業損益が27億円を超す赤字となったことから売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は33円高となりました。米長期金利の上昇が重石となり昨日の米国市場が小幅に続落となったことで売りが先行しましたが、節目の32,000円を小幅に割り込んだところで下げ渋ると持ち直し買いが優勢となりました。したがって押し目買い意欲は引き続き健在だといえそうです。なお、決算発表が本格化しています。本日も引け後には日本製鉄(5401)やスズキ(7269)、三井不動産(8801)、クボタ(6326)、ユニ・チャーム(8113)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には7月の米雇用統計が発表される予定です。米連邦準備理事会(FRB)による今後の金融政策を占ううえで関心が高い経済指標だけにマーケットの反応が注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)