東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日ぶりに大幅反落となりました。353円安の33,123円で寄り付いた日経平均は直後に318円安の33,158円を付けた後下げ幅を広げると11時10分過ぎに651円安の32,825円まで下落し615円安の32,861円で前場を終えました。675円安の32,800円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を広げ14時過ぎに848円安の32,628円まで下落し安値を付けました。その後は下げ渋りましたが、引き続き安値圏で推移すると結局768円安の32,707円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

トヨタ(7203)が一時4.2%高となり2022年1月に付けた上場来高値を約1年7ヶ月ぶりに更新しました。車載半導体不足の解消による生産増や値上げなどにより大幅増益となった第1四半期決算を好感した買いが昨日に続いて入りました。上期決算を発表した山崎製パン(2212)も一時14.4%高となり年初来高値を更新しました。低価格品の投入や原材料高に対応した値上げなどにより通期の営業利益の見通しを270億円から340億円に上方修正したことで買いを集めました。第1四半期決算を発表したインターホン首位のアイホン(6718)も一時17.6%高となり年初来高値を更新しました。部品供給の回復で海外市場でのバックオーダーの解消などが見込まれることから43億円とみていた通期の営業利益の見通しを55億円に引き上げたことで大幅高となりました。また、目標株価の引き上げを受けて日本ゼオン(4205)やコマツ(6301)が高く、日本ゼオンが一時3.2%高、コマツも一時2.4%高となり揃って年初来高値を更新しています。

一方で第1四半期の営業損益が赤字となったコニカミノルタ(4902)や日立造船(7004)が大幅安となりました。コニカミノルタはスマートフォンなどのディスプレーの色合いを測る計測器が低迷したことなどで第1四半期の営業損益が44億円の赤字となったことから一時10.2%安となりました。日立造船も半導体製造装置向けの真空バルブなどの収益が悪化したことで第1四半期の営業損益が33億円を超す赤字となったことから一時6.8%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は768円安となりました。昨日の米国市場でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数が下落となった流れを受けて売りが優勢となりました。朝方は節目の33,000円近辺で下げ渋る様子もみられました。しかし、33,000円を割り込んでさらに下げ幅を広げると一時は850円近く下落し、25日移動平均線(32,787円)を割り込んでしまいました。そのため警戒ムードが強まりそうで、明日も下げが続いた場合には一目均衡表の雲の上限(32,602円)を維持できるかがポイントとなりそうです。なお、決算発表が本格化しています。本日も引け後にはTDK(6762)やヤマハ(7951)、川崎汽船(9107)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時15分には7月のADP全米雇用リポートが発表されるほか、2日の米国では半導体大手のクアルコム[QCOM]などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)