東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に続落となりました。22円高の32,704円で寄り付いた日経平均は直後に41円高の32,724円を付けた後マイナスに転じると取引開始から15分余りで193円安の32,488円まで下落しました。しかし、節目の32,500円を小幅に割り込んだところで下げ渋ると持ち直し、昨日の終値を挟んで小幅にもみ合う展開となりました。結局、日経平均は14円安の32,668円で取引を終えています。一方で新興株は堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
大塚ホールディングス(4578)が一時6.0%高となりました。すべての事業セグメントの売上収益が堅調に推移していることなどで925億円とみていた上期の事業利益の見通しを1550億円へと上方修正したことから買いが優勢となりました。ソースネクスト(4344)も一時16.7%高となりました。子会社で携帯翻訳端末「ポケトーク」事業を手がけるポケトークが国内法人市場の開拓やグローバルの販路拡大などに関してソフトバンク(9434)と業務提携を結び、今後3年間で新たに100万台の販売を目指すと発表したことで買いを集めました。一方で上期決算を発表したシマノ(7309)が一時5.8%安となりました。新型コロナウイルス禍が落ち着いたことで世界的な自転車ブームが一服し、主力の自転車部品の在庫が積み上がり、新規販売が低迷していることなどで830億円とみていた通期の営業利益の見通しを700億円に下方修正したことから下げ幅を広げる場面がありました。富士通ゼネラル(6755)も一時11.9%安となり年初来安値を更新しました。北米を中心に空調機の受注が鈍化するなど海外事業が振るわなかったことなどで第1四半期の営業損益が6億円を超す赤字となったことから売りが膨らみました。ホームセンター大手のコメリ(8218)も一時5.6%安となりました。4月と5月の天候不順によって園芸用品が不振で、それに伴う花や植物のロス増加などにより第1四半期の営業利益が前年同期比で20.3%減となったことから売りが優勢となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は14円安となりました。昨日の米国市場が続伸となったこともあり小幅にプラスとなる場面もありましたが、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えていることから積極的な買いは限定的で上値が重く売りが優勢となりました。そのFOMCの結果は日本時間の27日午前3時に発表となります。0.25%の利上げは織り込み済みであることから、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が会見でさらなる利上げを示唆するかなどに関心が集まりそうです。なお、先週から3月決算企業の第1四半期決算がスタートしています。本日も引け後にはアドバンテスト(6857)や日東電工(6988)、日産(7201)などが決算を発表する予定です。また、26日の米国ではフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]やボーイング[BA]、コカ・コーラ[KO]などが決算発表を予定しています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)